Translate

2013/11/19

パンタナル湿原の生き物たち ①ホ乳類

南米パンタナル湿原では、多くの野生動物に出会うことができます。アフリカのサファリを楽しんだ人々が、大型の鳥たち、ほ乳類、は虫類を見るために次に訪れるのが、実は、ここパンタナルなのです。

乾季でも川の周りには緑が広がります。ここにはオオカワウソがいます

固有種は少ないのですが、多様な生き物がいます。植物は3500種、ほ乳類は124種、は虫類は177種、両生類は41種、そして、少なくとも423種の鳥がいます。淡水魚は325種が確認されています。

参考:「PANTANAL-South America's Wetland Jewel」Russel A. Mittermeier 他, 2005年


パンタナルのスター的動物といえば、カピバラ。世界で最大のげっ歯類でネズミの仲間です。おとなしい性格といわれ、日本の動物園でも人気者。群れでいることが多く、のんびりと草を食む様子がかわいくて、目を細めるとこっちまで気持ちが和みます。泳ぎが上手です。

カピバラと小鳥(おそらくyellow-bellied elaenia)
群れで泳ぐカピバラ。水のなかにいると生き生きしてみえます

オオアリクイもパンタナルの代表的な動物です。不思議なことに、あるファゼンダ(農場)では全くオオアリクイを見つけられなかったのに、別のファゼンダには、たくさんのオオアリクイがいました。人間をあまり気にせず、食事(アリ)に専念していました。

オオアリクイは、木の根の下にすむアリ探査に夢中

アリヅカ。シロアリは、アリクイやオオアルマジロの食料です

オオアリクイが見つけられなかったファゼンダでは、コアリクイに出会うことができました。しっぽの形が全然違います。オオアリクイはふさふさでしたが、コアリクイのしっぽは細いです。

夜のサファリで出会ったコアリクイ。ぬいぐるみみたい

草原でときどき出会えるのが、アルマジロ。オオアルマジロには会えなかったのですが、ムツオビアルマジロを何匹か見かけました。

走り去ろうとするアルマジロ
ウシの群れの中を走り去るアルマジロ

動物を見に行くサファリは、朝や夕方の他、夜もありました。闇の中では、昼間とは違う顔を見せる動物たち。ジャガーやキツネなどのハンターもいます。写真がかなり不鮮明ですが、ご参考になればと思ってのせました。

ジャガー。美しい!
パンタナルのキツネ(club-eating fox)

パンタナル湿原。日が沈んだ直後。光がきれい。杭の上に鳥。カピバラが泳いでいます




世界で最も美しい場所のひとつ。南米のパンタナル湿原を飛ぶ

南米の真ん中、ブラジル、ボリビア、パラグアイにまたがって広がる湿原パンタナルへ行ってきました。南米の宝石ともいわれるこの湿原には、乾季と水が氾濫する時期があり、季節的な氾濫の時期には、広い大地が水で覆われ多くの生き物であふれます。その生態系の貴重さから、2001年にユネスコの世界自然遺産に登録された、21万平方キロメートルの世界最大の湿原です。

パンタナルの7割はブラジル。2割がボリビア、1割がパラグアイ

ここでの日常の移動は、まず小型飛行機。とにかく広いのです。ファゼンダといわれる農場の間を移動する時も、飛行機が一番便利でした。

草地の部分は、洪水の時期には水で覆われます


低空で飛ぶので、眼下にウシの群れが草を食む様子や、仲間と飛ぶ鳥の群れを上から見て、まさに空中散歩。

飛んでいく鳥たちを空から見下ろす(ほぼ中央部の白い点々が鳥)

パンタナルに隣接するのが、ブラジルの草原地帯セラード(Cerrado。現地発音ではセハード)。サバンナ気候で、牧畜や近年は大豆生産などが行われています。NHKで2011年に放送された番組で、福山雅治さんが印象的な光るアリ塚を観察した場所です。セラードの標高は、約1000メートル。この広い台地を横切ると、急に土地が海抜100メートル程度に落ち込み、パンタナル湿原が現れます。その境目にあるのが、巨大なサンドストーンの崖。

前方のサンドストーンの崖から先がパンタナル。眼下のセラードはサバンナの台地です。
パイロットが崖の近くを飛んでくれました。
セラード。放牧地と農地が広がっています。

雨季に訪れたときのパンタナル。水で満たされています。

パンタナルはその歴史的背景、土壌の性質、植生、主要な川によって、10の地域に分けられます。11月から3月が雨季で、年間に1000から1700ミリの降水量があります。