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2015/07/20

「ジュラシック・ワールド」堪能!ところで、恐竜ってホントはどんな声だったの?

6月半ば過ぎに「ジュラシック・ワールド」がアメリカで封切られました!最新CGを駆使した映像がすごい!恐竜たちのデザインもすごく考察されてるし。アメリカ映画常套のカッコいいヒーローに、勇敢で優秀ながらやや天然のヒロイン、子どもたちの活躍。ジョークもたっぷりで楽しめました。

恐竜をイメージさせるクロコダイル。声を使ってコミュニケーションするそうです。

ところで、TVや映画で出てくる恐竜たちの声が、ずっと気になっていました。まるでゴジラのような鳴き声を上げて獲物を襲うからです。ちょっと金属っぽいような、ライオンのようなうなり声や雄叫び。特に大型の肉食竜だと、身体の大きさに合うような大きな声で「ガオーーー!」。あの声に違和感を感じてました。


爬虫類の鳴き声


この違和感は、恐竜と見た目が似ているワニやトカゲたちが吠えるような大声を出すのを聞いたことがないからかも。大声で鳴く爬虫類・・・。そういえば、インドネシアなどに棲む”トッケー”というヤモリが「トッケー、トッケー」と鳴きますが、この声はちょっとコミカルでかわいらしいし。

プレデター(捕食者)は、音を立てずに獲物に忍び寄るのがふつう。可愛いネコたちも、小動物を捕まえる時は、獲物を追うハンターの顔に変身し、声を出しません。なので、肉食の恐竜たちが、獲物を追うときにゴジラ風の雄叫びをして走っている光景は、どうも想像しがたくて。

ワニやトカゲは、怒った時や助けを呼ぶとき、仲間とのコミュニケーションや繁殖のときには、声を出してコミュニケーションするそうです。わたしの友人が飼っているカメたちは、メイティングの時はよく大きな鳴き声を上げます。初めて聞いた時はカメは静かな生き物だと思っていたので、びっくりしました。


色鮮やかな体色のカメレオン。恐竜も色んな体色を持っていたのかな。


恐竜も大きな声を持っていたかもしれません。でも、「ガオオオオッ!」とかでなくて、小さく可愛い声で「キューン」とか鳴いていた可能性だって捨てきれない。ティラノサウルスが「ニャア」とか鳴いていたら、いいなあ。一方、おとなしいイメージで描かれることの多い草食竜たちの方が、追われた時の反撃方法として大声を出していた可能性だってあるはず。


恐竜の子孫・鳥類の鳴き声


恐竜の生き残りが進化したものが鳥類だといわれていますが、鳥たちも、大きな声で鳴くものの、獲物を追うときには雄叫ばないように思います。しかも昨年サイエンス誌に掲載された論文によると、鳥やホ乳類の声の出し方は、恐竜の絶滅後に飛躍的に発達したそうです。恐竜の時代は、声のヴァリエーションは限られていたとも考えられそうです。うーん。どうだったのでしょう。いつか研究が進んで、恐竜の本当の声がわかるときが来る日も近かったりして。

鳥たちの鳴き声は、実にさまざま。鳥のようにさえずりができる恐竜がいたりしたら面白いな。


でも、状況に応じて大声で吠える迫力ある恐竜は、わたしたちのエンターテイメントの世界に確かにいます。彼らのおかげで、映画が100倍楽しく観られることに感謝!Go ジェラシック・ワールド!



2015/07/05

コーヒーやチョコレートにも大きな影響。世界中で深刻化する干ばつと天候不順

ブラジルの干ばつ


昨年、世界最大のコーヒー生産地ブラジルでの深刻な干ばつによって、コーヒー生産量が減少し、コーヒー豆の国際市場価格が急騰しました。ここ数年、天候不順による農作物への影響が問題になっていましたが、昨年は、干ばつで収穫量に影響があったのに加え、収穫時期にはエルニーニョによって降雨があり、豆の乾燥工程に影響したそうです。

ブラジルのサンパウロでは、昨年大規模な森林火災が頻発。降雨量が減り乾燥した草木は燃え上がるのが早く、なかなか鎮火できなかったようです。ブラジルでは、農地開発などによって森林の面積が減少し続けています。


ブラジルのセハードを空から。もとの自然はあまり残っていない。放牧地や大豆畑が多い。

ガーナでカカオ生産低迷


チョコレートの原料であるカカオの生産地ガーナでは小雨が続いており、昨年のカカオ豆収穫量90万トンに対して、今年の収穫量の見込みは、約70万トンと大幅に減少すると見込まれています。昨年西アフリカを襲ったエボラ出血熱は、カカオ生産地のガーナやコートジボアールなどには広がらなかったものの、国際市場価格上昇に影響し、ハーシーなど世界の大チョコレートメーカーが小売価格を8パーセントも値上げしたそうです。今年は生産の減少によって、さらなる価格高騰が懸念されています。

おいしいチョコレートは、なぜか
カカオ生産地ではない国からやってきます。
今年は、天候条件に加え、カカオの木を守るための農薬などの使用時期が遅れたことも、生産不調に影響しているようです。

2011年以降、カカオ価格が2年間にわたり低迷したことによって小規模農家の収入が減り、政府から支給される苗木や農薬購入のための補助金を農家が使いたがらず、農薬や木を守るための菌を買う時期が遅くなったことが影響しているとガーナ・ココア・コーヒー・シア農家協会は分析しています。(ウォールストリートジャーナル記事参照)

円安が続いているため、日本では輸入品であるコーヒーもチョコレートも値上がりしていますが、中国などで急速に需要が増加していることに加え、生産地の気候不良によって生産量が減ってしまえば、さらに値段が上がる可能性があります。

農作物生産には、安定した気温と降水が必要です。発芽、苗の成長、開花、結実、収穫というそれぞれの生育の段階に適切なタイミングでの環境の条件が重要なのです。そして、生産者の生活や生産国の状況などの社会的条件、選ぶ人の目利き、取引における国際的な安定、商品を生み出す技術など、私たちのところに届くまでには、実に多くの要素が絡んでいるのです。

気候変動の影響はますます深刻に


カリフォルニアでもここ四年にわたり深刻な乾燥状況が続いていて、農業や生活用水の不足や大規模な森林火災が問題になっています。

カリフォルニアの乾いた大地に植えられた農作物。
畑には灌漑のホースが張り巡らされている。

アメリカの食を支えるカリフォルニアの干ばつ


カリフォルニアは、アメリカ農作物の大生産地。高速道路を走ると、トマトやオレンジを積んだトラックとすれ違います。乾燥した大地の中で、アーモンドやトマトなどの青々とした農地は不思議な光景に見えるのですが、畑にはくみ上げた地下水を供給するホースが引かれているのです。多量の水が使われるため、長い時間をかけて蓄えられた地下水は、かなり減ってしまっているそうです。この地下水や川からくみ上げる水は、シエラ山脈に降る雪をもとにしていますが、近年、積雪量が減少し、さらに気温が高くなっているため、早い時期から解け出してしまっています。

家庭に例えると、父親の収入が減り(降雨減少)母親も働きに出た(地下水汲み上げで枯渇)のに、子どもにかかる教育費がどんどん増え(農地拡大)、生活費全般も値上がり(森林火災の増加)して、父親に定年が迫っている(森林面積の減少、気候変動)−というような状況。

カリフォルニアワインも収穫が減ると見込まれています。ただ、昨年の収穫は、少ない降水量のため、味が良くなっていると分析されています。