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2015/12/24

スマートフォンの普及などで、急激に様変わりする世界への旅行

旅行ガイドブックや地図を持っていったのはいつまで?

「あのガイドブックを持って歩いているから日本人だってわかるよ。」10年ほど前は、大抵の旅行先ですれ違う日本人は「地球の歩き方」を持っていて、例えばバリの物売りたちはそれで日本人を識別し、売値を決める参考にして、高めの値段をふっかけていたそうです。

宿泊施設や現地のレストランがのっているガイドブックや地図は、個人旅行をする人の必需品でした。

ところが、いまやこれらのほとんどはスマホで可能です。スマホで情報を入手して、予約も支払も可能。宿泊先やレストランの他の人の評価や口コミを見て検討することもできます。

スマホの地図は、自分の現在地もわかるし、目的地周辺の情報も見ることができます。運転するときは、目的地までのナビゲーションだってしてくれます。

外国の情報が英語やその他の外国語で掲載されていても問題ありません。スマホには翻訳機能すらついていますから。

遊牧民と携帯

12年前にモンゴルへ行ったときは、遊牧民が住むような遠隔地には電話が普及していませんでした。携帯電話を使っていた同僚に、「この広い国では気候も厳しいし町の間も離れているから、電話線を敷くのは一大インフラ事業ですね。携帯電話が普及すると便利ですね」と言ったら、「まず電話もないのに携帯なんて考えられないでしょう」と一笑されたのです。それからあまり時が経たないうちに、なんという急激な変化。いまでは遊牧民もスマホを生活必需品にしています。家畜の取引だってスマホでやるようになっているし、写真もスマホでとってFacebookやInstagramにアップしています。

以前は重いカメラを持っていったものでした。でも、いまではスマートフォンを始めとする携帯電話がこれもこなしてくれます。かなりの高解像度の写真を撮ることができ、その重さはご存知の通り。旅行の後で、いえ、旅行の途中だって、写真の共有は簡単です。グループ写真に写っている人の人数分をプリントしなくていいんです。

スマホ一つが、ガイドブック、地図、カメラ、計算機、録音機、音楽をカバーしてくれる。いや、それ以上の便利さをわたしたちの旅行にもたらしてくれています。


もはや絶滅の”T/C”

10年以上前の海外旅行の準備では、安全面についてのアドバイスで「持っていくお金は、現金以外に、トラベラーズチェック(T/C)、クレジットカードなどと分けましょう」と書かれていたはず。・・・でも、いまやT/Cを使える場所はほぼありません!

有効期限がないし、いざというときに使えるし、少しレートもいいし・・・という理由でT/Cを購入し、使わずにまだ持っている人もいるのではないでしょうか。早めに銀行に持ち込むことをお勧めします。

昨年、米ドルT/Cをベトナムで使おうとした友人は、換金できる場所を見つけることができませんでした。

一昨年まで一部のホテルなどで現金に換金してくれたイギリスドルのT/Cも、昨年は換金してくれるホテルがなく、両替所でもことごとく断られ、ロンドンでたった一件しかないというアメックスの特別のオフィスに行き、なんとか現金化できました。

アジアの国に行く際に便利だった日本円のT/Cも、今年はもはや日本の免税店ですら受け取ってもらえなくなりました。


ホテル予約も航空券購入もオンライン

15年ほど前に海外のホテルを自分で予約するときは、FAXを送っていたものです。航空券は、入手したらなくさないように、パスポートと一緒に特別なところに入れて持ち歩いていました。いまでは、ホテルや航空券の予約に便利なサイトがたくさんあり、予約も支払も簡単。航空券はeチケットになり、持ち歩く必要がなくなりました。


いろいろなことが便利になり、世界への距離が縮まったように思います。ただ、外国では習慣や治安などいろいろなことが日本とは違います。テロの危険も増えています。外国旅行の前は、しっかりと情報収集することはいままで以上に行いたいものです。


2015/12/23

来年はサル年!・・でも、世界のサルたちはいま危機に・・

2016年の足音も聞こえてきたこの頃。来年はサル年ですね。

日本に固有のサルは、ニホンザルとヤクザルです。北限のサルとして下北半島のサル、温泉ザルなどが世界的に有名なようです。

世界に300頭以下しかいないというデラクール・ラングール。ベトナムの奇岩地域で。
大人はシロクロのパンダ色で、子どもは金色。


世界の霊長類の半数以上が危機的な状況に

日本のサルの数は安定していますが、世界のサルたちの多くは、危機的な状況に直面しています。今年の11月に、IUCN(国際自然保護連合)種の保全委員会などが、700種ほどの霊長類のうち、半数以上が絶滅の危機に直面していると発表しました。

原因は、生息地の自然の破壊、食肉としての狩猟、違法なペット取引などです。とくに、小型のサルたちはペットとして人気が高く、フィリピン・メガネザルやジャワ・スローロリスは最も危機的な状況にある霊長類にリストアップされました。

ベトナムでTVを見ていたら、スローロリスなどの違法な野生生物取引を
やめるように呼びかけるTVコマーシャルが。。

可愛いことは危険なこと

これら霊長類は、現在ではワシントン条約で国際取引が禁じられているのにも関わらず、日本でもペットとして人気があります。

かれらは、もともとの食べ物ではない人間の食事を与えられたり、夜行性なのに昼間にかまわれたりしてストレスにより衰弱してしまっています。飼い主は、かわいい(と人間には思える)姿をビデオや写真にとりSNSで公開しているようですが、世界の専門家たちから多大な非難が日本人全体に向けられています。ひどい行動を即刻やめてほしいと思います。

アジアでは、富裕層が増えるとともに珍しい動物を飼いたいという人が増えているようです。また、以前から、”珍味”としてサルを食べる人々もいるからか、世界でも特に危機種のトップ25に入る種が10種と多くなっています。

シンガポールでモンキーウォッチング。

モンキー・ウォッチング

サルたちを守るために有効な手段として登場したのが、「モンキー・ウォッチング」です。珍しいサルを見て、彼らの住む生息地を見て、その周囲の人々や自然のことを知るというエコツアーは、新しい自然保護のツールとして期待されています。

モンキー・ウォッチングの推進者アンディ・アンさんのウェブサイト
http://www.primatewatching.com