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2014/11/01

ハワイ島③ 火山の島の不思議な鳥たち

ハワイ島の溶岩の台地の上に広がる森で、不思議な鳥たちに出会うことができました。


上下のくちばしの形が全く違う不思議な鳥、アキアポラウ(Akiapola‘au)
ハワイミツスイの一種で絶滅危惧種。


ハワイ島でバードウォッチング

マウナケアの南、サドルロードを車で走りました。この道は島の東側の街ヒロまで続いていて、山の周囲の丘陵に草原や岩の大地のダイナミックな光景が広がります。標高が高い場所では、道路が雲で覆われます。この道からアクセスできるマウナケアの麓の二カ所を鳥を探して歩きました。

その一つが、ハカラウ鳥獣保護区。標高が低い場所では、実に、東京の4倍以上も雨が降ります。一年に6350ミリ以上!(東京は年降雨量約1500ミリ。気象庁データ)沼や谷が点在し、シダが生い茂る原生の低山帯降雨林です。標高が高い場所は降雨量が少なく、放牧のために島の外から持ち込まれた牧草が中心になっています。

ハワイの森の鳥たちのうち6種が絶滅が危惧されていますが、ハカラウにはそのうち4種が棲んでいます。黄緑色の羽がきれいなアマキヒ('amakihi)は、よく見られます。昆虫や花の蜜を食べます。赤い色の鳥は、アパパネ('apapane )とイーウィ('I'iwi)。イーウィの鳴き声は、「イーウィ!イーウィ!」と言っているように聞こえます。


イーウィ(‘I‘iwi)。赤い体と曲がった黄色いくちばしが特長。

鳥とダーウィン

鳥のくちばしの形状には、食べ物が大きく影響しています。ガラパゴス諸島のさまざまな形のくちばしを持つフィンチから、ダーウィンは進化論を導いたそうです。自然選択によって、周囲の自然条件に適した種が生き残ったのです。

ハワイミツスイの一種のアキアポラウのくちばしは、上が大きく曲がり、下は短くまっすぐです。これは、木の枝をつついて樹皮の下にいる幼虫を取り出すためです。いくつかの樹皮にアキアポラウがつついた後が残っていました。ハカラウの周辺には、アキアポラウの食べる昆虫が好きな木を植える保護活動が行われています。



イーウィ(‘I‘iwi)の曲がったくちばしは、花の蜜を吸うのに適しています。和名はベニハワイミツスイ。赤い花の蜜を吸っているイーウィはとても美しいです。ハワイの観光資料などにもよく登場します。ハワイ諸島にたくさんいたイーウィは、蚊が媒介する病気によって数が激減してしまい、絶滅が心配されています。マウイ島とハワイ島で見ることができますが、ラナイ島では絶滅してしまい、モロカイ島とオアフ島にもほとんど生息していないそうです。

ハカラウフォレストには、29種の希少植物種が植生しています。そのうちロベリアなど12種が絶滅危惧種です。


ロベリア


ヒトだって絶滅したくないはず

環境が変わると、新しい環境に適した生き物しか生き残って行くことはできません。人がハワイ諸島に持ち込んだものによって、ここに生まれたいくつもの固有種が絶滅し、いまも多くの種が絶滅の危機に立っています。

環境を変えた原因の一つは、人が持ち込んだ外来種。生活するために家畜やペットを連れてきました。人や生き物に付いて植物の種も運ばれてきます。島の外との貿易に使う船にまぎれて、小さな生き物も入ってきました。多くの場合、いままで島にいなかった新参の生き物は、生態系のニッチ(すきま)に入り込み数を増やします。

ハワイの固有種ネネ。けっこう気が強い。

たとえば、ハワイ州の州鳥のネネ(ハワイガン)は、外来種によって絶滅の危機にさらされました。ネネは雁ですが、危険な生き物のいなかった環境のためか長い距離を飛ぶことは少なく、長時間を地上で過ごします。そのため、農家の天敵ネズミ(船などでやってきたと思われます)を退治するために人間が連れてきたマングースなどの格好の餌食になってしまったのです。さらに悪いことに、ネネは地上に直接卵を産むため、いとも簡単に今までいなかった動物たちに卵を食べられてしまい、一時はほぼ絶滅の状態になってしまいました。幸いなことに、その後、保護活動によって、いまでは個体数が回復してきているそうです。(とはいえ、種内の多様性が減少してしまったことによる問題があるそうです。)

マングースを捕らえるためのワナ


農業や住宅地・商業地建設のための森林破壊や人間による捕獲(食料、ペットなどの目的)も大きな脅威です。また、間接的に気候変動も生き物たちに影響を及ぼします。雨の降り方や量が変わり、花の咲く時期や分布が変わると、そこに棲んでいた昆虫などの生息状況が変わり、さらにより大型の生き物たちも影響を受けます。いつかヒトという種も、その知恵や行動力では太刀打ちできない状況に直面することになるかもしれません。



ハワイ動物園のパネル。「最初のカヌーがやってくるまで、ハワイは鳥たちの王国だった」

2014/10/28

ハワイ島② 生きている火山

つい最近もハワイ島のキラウエア火山の活動が激しくなり、溶岩流が町まで迫り、避難勧告の範囲が広がっているようです。

キラウェア火山の溶岩流から煙が立ち上る

島は動いている

ハワイ諸島は、火山活動によってできた島々です。マグマが噴出する上に、火山が新しい島を形成します。プレートは北西方向に移動しているので、南東にあるハワイ島(ビッグアイランド)が一番新しい島なのです。

ハワイ島は約50万年前に噴火によって誕生。熱い溶岩流が流れる大地には、最初は熱に強いバクテリアが登場。目で見ることのできる生き物は時間を経てからやってきました。新しい火山島にまずやってきたのは、風に運ばれてくる植物の種と、海の生き物、そして空を飛んでくる鳥たちです。シダや地衣類などが土を作り、そこに植物が根を下ろします。ハワイ島はまだ新しい島なので、そのような生物の進化を見るのに適しているそうです。

澄んだ空気のなかでみる満点の星空

キラウエア火山よりも前にでき今は噴火をしていないのが、中央北部にあるマウナケア火山です。マウナケアはおよそ4000メートルと富士山よりも高く、空気が澄んでいるので美しい星空が見られます。NASA、ハワイ大学、イギリス、日本など、世界の研究機関の天体観測施設があります。望遠鏡リストはこちら。一般の人たちも参加できる星空観測ツアーが人気のようです。

溶岩の上にできた森へバードウォッチングに。
白い天体観測施設が遠く山頂に小さく見えます

マウナケア火山から生まれた溶岩台地の上に広がる森に、不思議な鳥たちを探しに出かけます。


2014/10/20

ハワイ島① 火山が生み出した壮大な自然

「ハワイへ」というと、オアフ島のリゾートエリアが真っ先に思い浮かぶという人も多いのでは。実は、わたしもその一人です。暖かい穏やかな気候ときれいな海。でも、それだけじゃないことを今回の旅で体感してきました。

ハワイのホテルでは、ゲストにレイ(首飾り)をプレゼントしてくれることも。

わたしが訪れたのは、ハワイ島。南太平洋の火山列島の最南端で、いまも活発に火山が活動し、地球の息吹を感じられる場所です。ハワイ諸島のなかで最も大きなこの島は、ビッグアイランドと呼ばれています。

噴煙を上げるキラウエア火山。
今年9月には溶岩流のために住民に避難勧告が出されました。
火山の火が森を焼き続けています。森は徐々に再生します。

行きの飛行機の中では、ちょうどハワイを舞台にした「Decendant」が上映されていて、ストーリーの背景には、自然とすごく近い距離で生きている人たちの生活や物事の捉え方が、さりげなく描かれていました。飛行機がコナの空港への着陸態勢に入ると、海岸線まで黒い溶岩流の後が広がる光景が。活発な火山活動がありながらも、このコナや島の反対側にあるヒロなどの町を中心に、オアフ島に次いで多くの人が暮らしています。

ハワイ島の主要な産業は、観光、コーヒー栽培、放牧など。高台には、コーヒー農園がたくさんあります。そのうちコナのUCCの農園にお邪魔しました。若い日本人女性たちが、コーヒーの焙煎体験を楽しんでいました。ここでは、農園の見学やコーヒーの試飲・購入などもできます。コーヒーの白い花が一斉に咲く時期はとても美しく、木の上に雪が降ったように見えるため、コナ・スノーと呼ばれているそうです。開花は、たった3日間くらいだけなので、見られたらラッキーですね。

コナにあるUCCのコーヒー農園。七面鳥がお散歩中。

UCC農園では、コーヒービーンズ・チョコレートを買いました。
これはホワイト&スイート。美味しいです♡

火山の周囲には、放牧地が広がっていました。

火山の周辺の草原に、ウシやヤギが放牧されています。


ハワイ島観光の主役は、火山と海です。火山の上を飛ぶヘリツアー。ダイナミックな波を目指すサーファー。ビーチを楽しむ人たち。クジラたちに出会うネイチャーツアーも大人気です。

ハワイ島の海岸線は荒々しい形状

ヘリコプターから見たクジラの親子。

「島」は、周囲から離れているという条件から、特有に進化した生態系を持つことが多いものです。特に、ハワイ島は火山活動で形成された新しい島で、大陸から大きく隔たれているため、独特な生き物たちを見ることができます。ハワイ島の景色は「ダイナミック」ですが、実は、生き物たちは繊細なバランスの中に生きています。今回の旅では、ユニークな鳥たちに出会うことができました。詳しくは次回。


自然系のレストランも多い。おしゃれに盛りつけられた枝豆。
最近「Edamame」は英語として使われるようになってきたようです。