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2014/07/18

スリナムの旅⑥ まるで大輪の花!オレンジが鮮やかなイワドリ

スリナムの森には、鮮やかな色の鳥がたちがいます。
なかでも、その美しさと神秘的な感じに圧倒されるのが、イワドリ(Cock of the Rock)です。

森の奥に棲んでいるCock of the Rock(イワドリ)

イワドリのメスはあまり目立たないのですが、オスの鮮やかな羽と他の鳥にない姿は、素晴らしいものです。その美しい姿とかわいらしい鳴き声は、メスを惹き付けるためのものです。森の中に、自分たちがよりきれいに見えるように選んだ場所、”ステージ”を持っていて、オスたちはそこで美しさを競い合うのです。

”ステージ”は森の奥にあるので、道なき道をマチェットで切り開きながら歩いて行きます。一度トレイルを作っても、森の木々はすぐに枝葉をのばし、草はすぐに生長するので、次にそこに行くときには、新たに道を作りながら進むのです。

インコを見せてくれる女の子。このインコ、見た目の鮮やかさと裏腹に、結構凶暴です。固い木の実も割るくちばしには気をつけないと。

スリナムの村で。ペットのオウム。気性が荒い。


道を歩いていて、ふと上をみたら、美しい青い鳥が静かに枝にとまっていました。目が丸くて可愛いです。

スリナムの森で出会った青い鳥。



2014/05/24

スリナムの旅④ 世界遺産の中央スリナム自然保護区へ ー岩山に暮らす生きものたちx


Surinam Raleighvallen - Voltzberg
ヴォルツバーグ(The Voltzberg)。奥に見える山の頂上に登ります。


奇観の岩山ヴォルツバーグ(The Voltzberg)に登る

中央スリナム自然保護区で、とりわけ有名なのは、ヴォルツバーグ(The Voltzberg)。原生林の真ん中にどさっとおかれたような、登る際に手でつかむものもほとんどない奇観の岩山です。

スリナム・ヴォルツバーグ周辺の森
ヴォルツバーグの近くにイワドリ(Cock of the Rock)の生息地があるのですが、どちらにも行くためには、日帰りでロッジに戻ることは難しく、近くにあるリサーチセンターに宿泊します。リサーチセンターはその名の通り調査に使われるのですが、普段は無人の建物です。森の真ん中にあり、水道も電気もありません。そのため、ハンモックや食料、水を持っていきます。

早朝にロッジを出発し、ボートで近くまで移動し、そのあと原生森を数時間歩きます。道中、いろいろな植物や動物に出会うことができました。ときどきホエザルやリスザルなどが木々の間を移動している様子が見えました。全員で立ち止まって、同行の生物学者の説明を聞きます。

鳥の鳴き声もあちこちから聞こえてきます。大きなコバルトブルーのモルフォ蝶がひらひらと飛んでいる様子は幻想的でした。モルフォ蝶は意外に動きが素早いのです。別の青い蝶シジミタテハはとまる時間が長くて、下のような写真を撮れたのですが、モルフォの写真は一枚も成功しませんでした。



倒木は新たな命を育む

美しい青い蝶(シジミタテハと写真家の方が教えてくれました)。

花びらに彩られるトレイル。
赤、青、ピンク、黄色などの花の箇所も。


リサーチセンターに着くと、さっそくハンモックの準備。普段使われていないこの建物の普段の住人はコウモリです。床にはコウモリのフンが積もっています。最上階に行くと、大群のコウモリが。。ガイドさんといっしょにコウモリを外に追い出し、床のフンを掃除しました。その床に、どさどさと持ってきた着替えや食べ物のバッグが置かれます。

しばらく人のこなかったリサーチセンターには、ハトが。
急な人間の出現に迷惑そう。

一同、ハンモックを吊るし終わって、テラス(っぽいところ)で休憩。ふと、忘れ物に気づいて、ハンモックが吊った暗い空間に荷物をとりに行ったのですが、そこに、カサカサ・・!っと素早く床を移動する黒っぽい影が。まさか、アレ(多様な生き物が好きなわたしですが、アレだけはどうしても受け入れられないのです)がこんなところに・・?!おそるおそる、じっくり見ると、長いしっぽがあります。なんと、それはサソリでした。

あー、陽のあるうちに見つけてよかった!でも、毒のある虫だし、このままでは良くないぞ。急いで、外に出て行っていただきました。

最初は他の生き物と思ってしまったサソリ。

さて、いよいよヴォルツバーグに向けて出発です。


上りの途中でハキリアリの隊列に遭遇。


太陽が照りつける中、手すりもない急な傾斜を登るのはかなり大変。重い荷物は岩山の下においてきています。まったくの手ぶらで登った前回は順調に登れたのですが、今回はカメラをバックパックに入れて持ってきたためか、重力をしっかりと感じながら進みました。岩山の所々にサボテンが生えています。土が少なく保水力が少ない場所でたくましく育っていました。

歩きながら下方を見るとちょっと恐い。

急な傾斜を歩いていると、ときどき空洞っぽい音がする箇所があり、いつかそこが崩れて穴があくのではないかと心配になります。また、幸い、いままで登ったのはすべてお天気の良い日でしたが、もし雨が降ると、つるつるする岩だから滑って落ちてしまいそう。でも、なんとか、息切れしながらも全員頂上に立つことができました!



頂上からの眺めは気持ちいい!

頂上からは360度の全方位に原生森林を見渡すことができます。遥か彼方はブラジルのアマゾンにつながっています。頂上に少しだけ低木があり、木陰を作ってくれていて、このほんのわずかなスペースに、全員で寝転び休憩しました。立ち上がると木陰からはみ出してしまうのです。


木陰や岩の下から続々と現れてくるトカゲたち

観光客のこぼす食べ物を狙う。

おやつを食べ始めたわたしたちに、トカゲたちが近寄ってきました。どんどんその数は増えていきます。最初は距離を保ち警戒していますが、だんだん近くによってきます。動きを見ていると、あまりにユーモラスなので、退屈しません。


岩山を下る若者たちのグループ

ヴォルツバーグに登る観光客のほとんどは、アドベンチャーを求めてやってくるオランダからの若者です。現地の旅行会社がほとんどオランダ語で営業していることや、アムステルダムからの直行便があることなどが貢献しているようです。ただ、今年に入って、頂上に落書きが増えました。たった数人の人や数組のカップルの名前が、大自然の世界遺産の貴重な素晴らしい景観の岩に書かれているところを見ると、がっかりしてしまいます。(注・上の写真の若者とは関係ありません。)

浅い小川で水浴び。魚も泳いでます・・

ヴォルツバーグを下り、宿泊拠点のリサーチセンターに戻ります。川で水浴びを終え、コーヒーとスナックで一息ついていると、空が急に暗くなり、熱帯のスコールが始まりました。気持ちいい天然のシャワー。


リサーチセンター周辺には花がたくさん咲いていました。

<スリナム・写真アルバムはこちら>


スリナムの旅③ 世界遺産の中央スリナム自然保護区へー”奇観の岩山ヴォルツバーグ”

1600万ヘクタールの原始の森を誇る中央スリナム自然保護区は、1998年にNGOのConservation Internationalとスリナム政府により設立され、2000年に世界自然遺産に登録されました。5000種以上の植物や、8種の霊長類、ジャガー、オオアルマジロ、ナマケモノ、コンゴウインコやコックオブザロック(イワドリ)などたくさんの魅力的な生き物がすんでいます。

中央スリナム自然保護区。

ユネスコ世界遺産のウェブサイト  http://whc.unesco.org/en/list/1017/

中央スリナム自然保護区の地図 Central Suriname Nature Reserve


中央スリナム自然保護区へ

パラマリボの空港をチャーター機で飛び立つと、すぐに眼下に広大な森が広がります。緑の濃い森と、いくつもの蛇行した川や何カ所かの金やニッケルの採掘場の上空を越えて、約1時間のフライトの後、周辺の森林や岩山にいくための本拠地となるロッジがある川の中州の小さな滑走路に着陸。今回は少人数の探検チームです。一同は、飛行場近くに飛んできた二羽のスカーレットコンゴウインコに感激しながら、ボート乗り場へ向かいました。

広大な森と自然の川の上を飛びます。

草地の滑走路。ここに着陸します。

この旅には、コックが同行しています。観光ロッジの炊事場でチームのための料理を作ってくれるのです。フィールドでは最低限の食べ物と言うことが多いので、彼の料理はこの上ない楽しみでした。ただ、彼はとってもマイペース。下ごしらえに時間がかかりすぎて、作ってくれた料理を食べる間もないまま出発ということが何回もありました。ある昼下がり、彼がジャガイモを剥いていたので、何を作るのか聞くと、チキンと併せてスープにする、と答えてくれたのですが、その料理には出会えなかったです。(誰の胃袋に入ったのかは謎のまま・・)

太陽光発電が使われています

ユネスコ世界遺産の説明が

このロッジからは、たくさんの見所に行くことができます。コパナム川(Coppename River)上流の滝(The Raleighfalls)。大きな岩山のヴォルツバーグ(The Voltzberg)。イワドリ(Cock of the Rock) の生息地、原生の森林、珍しい生き物たち。原生の自然の9割が残るスリナムならではの魅力満載です。

ロッジにいたタランチュラ


<スリナム・写真アルバムはこちら>


2014/04/18

スリナムの旅② リバー・ドルフィン(カワイルカ)・ウォッチング

世界遺産の町パラマリボ

スリナムの首都パラマリボは、オランダ統治時代の名残をとどめ、この町全体がユネスコ世界文化遺産に登録されています。ヨーロッパを感じさせる窓やドアなどの装飾が美しい建物が並んでいて、町並みを案内するガイドツアーがあり、ユニークな各家屋の詳細を紹介する本も本屋さんでみつけました。

オランダ風の建物。今も使われています。

かわいい装飾の電灯


リバー・ドルフィン(カワイルカ)・エコツアー!

この町に流れる雄大なスリナム川の河口部では、漁業が盛んです。この川には、ピンクのリバー・ドルフィン(カワイルカ)がすんでいます。ナマケモノの保護をしているモニクさんの団体Green Heritage Fund Surinam(スリナム・グリーン遺産基金)のイルカ・ウォッチングツアーに参加しました。町の中心からすぐのところにイルカがいるなんて、すてきで不思議。


オランダからの観光客が多い。かれらの多くが1ヶ月近く旅しています。

夕方、船で上流に向かいました。しばらくなにもない川面を見ているだけでしたが、船頭さんたちはどうやら携帯と無線でイルカの所在地情報をシェアしているらしく、他の船からイルカ目撃の知らせが届き、すぐにそちらに向かいました。

イルカたちは、ウナギを食べにやってきたそうです。数頭の群れです。次々に魚を食べ、船の脇を通り過ぎて行きます。子どものイルカはお母さんイルカにぴったりくっついて漁を学んでいました。

おなかがピンクのかわいいリバー・ドルフィン(カワイルカ)


リバー・ドルフィンは世界中で絶滅の危機に直面しています。食料として、あるいは人間の漁を邪魔するとして捕獲されたり、漁業に巻き込まれたり(混獲)、川の汚染や開発による影響を受けています。

イルカウォッチングツアーから戻ると日没がきれいでした。

2014/04/08

スリナムの旅① ナマケモノってホントはどんな動物?

南米スリナムを旅してきました。アマゾン上流に位置する広大な熱帯林。国土の9割が原生林に覆われる水の豊かな国で、たくさんの生き物に出会いました。

ナマケモノと会いました

その名もナマケモノ。英語名もナマケモノを意味するSloth。とにかくのんびりで、ほとんど寝ているんじゃないかと思われています。でも、今回のスリナムの旅で初めて彼らと会い、実はいろんな表情を持ち、それぞれ個性的で、寝てばかりいるのではない、とても魅力的な生き物だということがわかりました。

ミユビナマケモノ。なんともジェントルな表情

ナマケモノは、南米、中南米の熱帯林に生息し、大きく分けて指が二本のフタユビナマケモノと三本のミユビナマケモノがいます。フタユビナマケモノがゆったり癒し系なのに対して、ミユビナマケモノはやんちゃな感じです。ナマケモノは動きがゆっくりなせいか、毛皮に苔や水草が成長することもあるのだそうですが、動きの遅いミユビナマケモノの方がたくさんの苔がみつかるのだとか。

やんちゃなフタユビナマケモノの赤ちゃん

モニクさんのナマケモノ保護活動

スリナムの首都パラマリボで、モニク・プールさんを訪問しました。ナマケモノなど森から追われたりケガをしたりした生き物を、元の森に近い環境に戻す活動をしている女性です。最近、パラマリボの周辺の森が伐採されることが増え、追われた生き物を助けたり、伐採前にそこからナマケモノを移動させることもあり、モニクさんへの保護の依頼が急増しています。

最初はナマケモノが何を食べさせたらいいいのかかさえわからず、有名なコスタリカのナマケモノ保護施設に相談すると、ウシではなくヤギのミルクがいいとの助言。モニクさんに保護されている子どものナマケモノは、ミルクをまず飲み、その後、人参やカボチャのすり下ろしなどをスポイトでもらっていました。モニクさんのキッチンや冷蔵庫はほとんどナマケモノの食べ物で埋め尽くされています。成長したナマケモノは、葉っぱ(生の)やフルーツなどを食べます。


ヤギのミルクをもらう子どもナマケモノ

ナマケモノの“その”事情

モニクさんが、ちょっともぞもぞした感じのナマケモノを指差して、「“そのとき”が近づいてきたナマケモノはそわそわしてくるからわかるのよ」。一頭がもぞもぞとした動きをしていたのですが、どうやらトイレに行きたいみたい。ナマケモノは、週に1回くらいしか排便しないそうです。普段は木の上で暮らしているかれらは、そのときには地上に降りてきます。もしかしたら敵の多い地上に降りる回数を減らすためにフンの回数を減らしているのかな。

BBCの記事にアクセス殺到

ナマケモノの生態にはまだ知られていないことが多いそうです。そのためか、パラマリボ周辺でナマケモノが見つかると、モニクさんに連絡が入るそうです。モニクさんは、ナマケモノのことをもっと人々に知ってもらうために、保護活動のなかで観察したり研究したりしたことを本にまとめる準備をしています。また、先日、イギリスのBBCがモニクさんの活動を取材した記事が発表されました。発表から二日間で125万人もの人のアクセスがあったそうです。

<BBCの記事はこちら>「200頭のナマケモノを救った女性」
http://www.bbc.com/news/magazine-26734289

モニクさんの活動はボランティアに支えられていますが、エサ代などの出費をどうするか、より多くの森の伐採計画によって保護しなければならないナマケモノなどの生き物が増えたら、どう世話をするか、世話をするスペースをどうするのかなど、いろいろ課題も抱えています。

モニクさんの自宅庭に作られた保護施設には、コアリクイやオオアリクイも保護されています。最近、ボランティアの人がオオアリクイに池付きの大きな小屋を造ってくれたので、オオアリクイは歩き回る範囲が少し広がったそうです。

パラマリボ市内で保護されたオオアリクイ


コアリクイとモニクさん

いま、モニクさんは、パラマリボの郊外にレスキューセンターを建設する準備を進めています。寝る時間も惜しんで、熱心に生き物の保護に取り組むモニクさんの活動への支援が広がってほしいと思います。


モニクさんの「Green Heritage Fund Surinam 」ウェブサイト
http://www.greenfundsuriname.org/nl/


(写真左)コアリクイは本来は夜行性なのですが、ここで保護されているコアリクイの一頭はお昼も活発。アクロバティックな動きを披露!







"The Gate to Freedom" ナマケモノが森へかえる


モニクさんの保護施設のナマケモノは、健康を取り戻すと森へ戻されます。もともと暮らしていた森はすでになくなっているので、適した場所を見つけるのだそうです。

川を進み人のこない森までナマケモノを運びます。

ナマケモノを森へ還すモニクさん

「彼らにとって最高に幸せなときね」とモニクさん。ナマケモノとのお別れの場所を「The Gate to Freedom」と呼びます。この日は二頭のナマケモノを森へ還しました。ナマケモノたちはゆっくりと木を登っていくのを確認すると、船は船着き場へと戻り始めました。食べるために狙う人たちもいるそうなので、人に出会わないようにと祈りました。

パラマリボに戻ると、モニクさんやボランティアの方達とディナーへ。インド風の夕食です。スリナムには、オランダの植民地時代に、他の植民地だったジャワやインドのゴアなどから連れてこられた人々の子孫がいまも暮らしていて、多様な食事を楽しむことができます。

2013/08/18

自然保護と資源開発のせめぎあい ーエクアドルのヤスニ国立公園で石油開発が始まります

エクアドルが、多くの生命を支える世界最大の熱帯雨林アマゾンのヤスニ国立公園(Yasuni national park)での石油採掘を認めたことが、7月16日のガーディアン・オンラインに掲載されました。
http://www.theguardian.com/world/2013/aug/16/ecuador-approves-yasuni-amazon-oil-drilling


南米の熱帯雨林(注・エクアドルではありません)

エクアドルは、2007年に「ヤスニITTイニシアチブ(The Yasuni ITT initiative)」によって、アマゾンのヤスニ国立公園の自然と先住民を守る政策を打ち出しました。豊かな生物多様性を有するこの地域ITT(シピンゴ・ティプティニ・タンボコチャIshpingo-Tambococha-Tiputini)の地下に眠る7億9600万バレルの石油資源を開発する代わりに、国際社会に対し、森林を保護するための費用負担を求めたのです。

2010年に、エクアドル政府とUNDPが自然保護基金を設立。2023年までを期限に、保護に必要とされる72億ドルの半額の36億ドルの寄付と投資を、国際社会から募りました。無印良品で知られる日本の株式会社良品計画も20万ドルを寄付。自然保護の新しい仕組みの構築として、国際社会から注目されていました。

参照(日本語):http://yasuni.blog.so-net.ne.jp/

ところが、石油会社と中国が、石油販売を背景にエクアドルへの多大な融資を表明。一方、基金への寄付と投資は、1300万ドルしか集まらなかったのです。政府は自然保護から一転し、採掘を決定。コレア大統領は、国際社会が責任を果たさなかったためとしています。

国連環境計画によれば、地球上の生物の減少は、1970年に比べ30パーセントも減っており、さらに、エクアドルのような熱帯地域では、その倍のスピードで生物が減少しているそうです。この石油採掘の影響は、国立公園全体の1パーセント未満とコレア大統領は言っていますが、採掘のために新しい道路が造られれば、広範囲に影響が及ぶと懸念されています。

経済的・金融的で、国際的で、画期的な仕組みと思われていた自然保護の手法が、成功しなかったのです。なぜ、”国際社会”は“責任”を果たせなかったのでしょうか。気候変動問題への国際的な関心が低下したからでしょうか。あるいは、世界の経済事情の変化のためでしょうか。エクアドル政府とUNDPの営業活動(基金への呼びかけ、実際の資金集め)が十分かつ効果的に行われていたのかについても、見直す必要があります。さらに、もともと保護に必要と思われる金額をどのように試算したのかについても、検証が必要でしょう。

石油にまつわる資金支援は、この森林がもたらす価値よりももっと大きなものをエクアドルにもたらすのでしょうか。短期的には経済的に国を潤すかも知れません。でも、失うものはかけがえのないものです。三世代あとの人々からは、残念な判断としたと言われるのかもしれません。

2013/08/05

シャワーもトイレも川とつながっている。先住民族の生活から水を考える


インディオの村での滞在では、高床式木造の宿泊施設のなかにめいめいハンモックを吊るすかテントを張りました。

村の建物。宿泊施設もこんな感じ。
太陽光発電があります。
ちなみに、トイレは水洗!といっても、バケツに川の水を汲み、それをトイレ終了ごとに柄杓(大きなコップ)で流します。汚水は建物の床からパイプで流れ、笹で隠された浄化槽のようなところに流れ、その後は川に流れます。

この川の水は、住民の生活用水。最初に流した水もここの川から汲んでいます。食器を洗うのも、シャワーというか行水をするのも、使用後の水が流れて行くのも、すべてこの川なんです。


村の生活を支える川。魚もとります。

シャワーは川に行って直接自らを洗ってもよし、小さなシャワー小屋に入り、たらいにためた水(川からの)を使ってもよし。村の人が貯めてくれていた水がなくなると、自分の使う分の水を自らバケツに入れて運び入れます。そして、この水で、髪と体を洗います。水を使いすぎると、裸のまま川に汲みに行くのは恥ずかしいし面倒なので、1杯のバケツの水を計画的に使わないといけません。石けんの泡立てからすすぎと周辺の掃除まで。



数日間の滞在の後、首都に帰り、シャワーを浴びました。清潔なお湯が(まれに茶色の水のときもありましたが)蛇口をひねっただけで出てきます。気づくと、シャンプーの間、ほぼずっと蛇口をひねることなく水を流し続けていました。いったいどれだけの水を使ったのでしょう。

アメリカでの寒い冬の日のシャワー。体を温めるだけのためにお湯をしばらく浴び続けていたことも思い出しました。蛇口をひねると水やお湯のでる便利な都市の生活で、わたしたちはついたくさんの水を使ってしまっています。

「地球の水が危機的な状況にある」「使わない時は蛇口を閉める」と頭でわかっていたつもりでも、日常生活で自覚をして行動することは、なかなか難しいようです。水は蛇口をひねるという簡単な動作だけで得ることができるからです。そして水は排水溝から流れて行ってしまうので、どれだけ使ったかを知るのもわかりづらいからです。わたしはしばらくの間は、バケツに水を汲んでから使い、どれだけ自分が水を必要としているのか、知りたいと思います。

2013/07/25

南米の大森林。シャーマンとの出会い


薬草で治療の準備をするシャーマン
アマゾンの密林に住むインディオの村を訪れました。この村では、現地の人々と欧米の民族植物学者とNGOとの協力のもと「シャーマン・クリニック」プロジェクトが実施されています。

 ”シャーマン”とは、霊能的な力とジャングルに関する多大な知識を持ち、村の人々の心配事や病気を解決に導いてくれる存在。しかもこのシャーマンは、ジャガーを倒したこともあるすごい狩人だったりします。


この村では、薬草や天文など豊富な知識を持つシャーマンが、まるで大きな図書館のように人びとを助けてくれます。でも、一人のシャーマンがなくなると、図書館が焼失するかのごとくその知恵が失われてしまいます。代々のシャーマンが知識を受け継いでいくことがとても大切なのです。ところが後継者が不足すると、知識が断絶してしまいます。そこで、その知識を文字や画像で記録にとどめるとともに、子供たちに知識を伝える「シャーマン寺子屋」も始められました。

森は人々に食料や住居の材料を提供してくれるだけでなく、大きな薬草庫でもあるのです。シャーマンの教えによってこの森から生まれた薬草は、すでに世界の多くの人たちを助けています。

ところで、この村にも今年、携帯電話が登場しました。すでに多くの人が利用しているみたいです。ジャングルのど真ん中の村であちこちから聞こえてくる携帯の着信音は、とっても不思議な感じ。