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2014/01/24

バングラデシュの自然を訪ねて ーその4<自然保護への期待>

トラから守ってくれる(はずの)ガードマン。
世界最大のマングローブ森林、バングラデシュのシュンドルボンへの旅。あまりに短い弾丸旅行で、結局お目当てのベンガルトラに会うことはできませんでした。せっかく警護の人がライフルを持って付き添ってくれたのに。トラに襲われる恐れもあるので、警護の人が付き添うのが義務づけられているのです。

鳥はいろいろ見ることができ、川岸や中州で、シカとサルをみることはできましたが、トラをはじめ、カワウソを使って魚をとる漁師や、ハニーハンター、ベンガルワニ、カワイルカなどには会えませんでした。いつかもっと時間の余裕を持ってシュンドルボンを再訪したいと思います。


この地域のツーリズムは、まだ開発途上のようですが、国内観光客はすでに大勢やってきています。できるだけ早いうちに、生態系や環境への配慮と安全を盛り込んだツーリズムをデザインしていって欲しいです。下の写真では、まるで船が沈みそうなほどの観光客が一つの船に乗っていて、ちょっと危ない感じを受けました。

国内外からの観光客でいっぱいの観光船

ダッカでは、自然保護団体のWild Teamの立ち上げパーティーに参加しました。2003年から活動していた前身のWildlife Trust of Bangladeshが、さらなる活動の強化を目指してリニューアルしたのです。ベンガルトラの保護を中心として、環境教育やトラが住む地域の人々の収入向上支援などを行う若さ溢れる団体です。





Wild Teamの事務所を訪問したとき、「町中でカラフルなデザインのリキシャをよく見かけるだろ?今度、リキシャに協力してもらって、トラ保護をPRするキャンペーンを考えているんだ。」と聞きました。そのリキシャレース、昨年春に実施されたようです。見たかった!




ダッカ動物園の前で客待ちをするリキシャ。
イカすデザインのリキシャの方が運転がうまい気がするのはなぜ?


自然保護を軸足として、科学的な研究・調査から知識の普及、さらに、人のつながりや新しいアイデアと社会の動きを生み出しているWild Team。これからの活動が楽しみです。


2014/01/23

バングラデシュの自然を訪ねてーその3<シュンドルボンの野鳥たち>

バングラデシュの世界最大のマングローブ林・シュンドルボン(Sunderban)。夜明け前に、手漕ぎボートで静かに支流に漕ぎ出しました。

朝靄の中、ボートを静かに進めます。

水辺には、鳥たちがやってきます。カワセミの仲間が岸辺の木に止まって、魚を狙っています。Common Kingfisherの羽の青色が鮮やかでした。写真に撮れなくて残念。ほかの鳥の写真も鮮明ではないですが、姿が判明できたものをアップします。

Black-Capped Kingfisher

Rudy Kingfisher

Blue Eared Kingfisher


サギの仲間も数種いました。アオサギ、チュウサギ、オオサギ、ゴイサギ、ササゴイなどなど。日本でも出会えるサギたちもたくさん。

ヨシゴイかな

ササゴイかな?

ほかにも色鮮やかな小鳥たちがたくさん。
でも写真を撮るのはほんとに難しい!

下の写真は、ニワトリの祖先(?)みたいな鳥。羽が鮮やかできれい。しっかり飛べるのです。

Red Jungle Fowl

海が近い場所では、シーイーグルも見れました。ゆうゆうと舞う様子がかっこい。


バードライフインターナショナルによると、シュンドルボン保護区(Sunderban Biosphere Reserve)では219種の鳥が確認されています。そのうち5種が、世界的に絶滅の危機にあります。「AVIBASE-Bird Checklists of the World」というサイトには、すべての鳥の名前がリストされていて、それぞれの鳥の写真や説明につながります。なんて素晴らしいデータベース!

ちなみにバードライフインターナショナルとは、自然保護に取り組む世界最大のパートナーシップ。その業績と現在の取り組みに感謝です。


そのほか、シュンドルボンで見られる鳥のリストがあるサイト。
http://www.kolkatabirds.com/sundertripreport.htm


シュンドルバンの地図:
The Sundarban: The beauty of nature and the challenges of climate change - Dr Ezaz Mamunより)


2014/01/15

バングラデシュの自然を訪ねて ーその2<世界最大のマングローブの森・シュンドルボン>  

ベンガルトラを求めて、バングラデシュの世界最大のマングローブ林・シュンドルボン(Sunderban)(*最初シュンドルバンと書いていましたが、多くの文献でシュンドルボンとなっていたので訂正しました。ちなみに米国人友人はサンダーバンと発音していました)を訪れました。1997年に世界遺産(The Sunderbans)に登録されています。

ダッカから中型機(リージェント航空を利用。他にも会社あり)で1時間弱。ジェソール(Jessor)に到着し、そこから車でクルナまで移動します。かなり時間の余裕のある場合は、ダッカからクルナまで陸路移動もできます。クルナは割と大きな町で、イスラム王朝の遺跡があるそうですが、今回は時間がないため、遺跡好きとしては残念でしたが、クルナ観光はパス。

町と町の間には、畑が広がっています。ときどき何かの工場やレンガブロックを焼く場所がありました。広場のようなところで、男性がクリケットしている光景をよく見かけました。旧英領ならではです。最近、魚の養殖が増えているとのことで、養殖池もたくさんありました。

マスタードの黄色い花があちこちで咲いていてきれい
線路も列車が通らないときは通路・物干し場・作業場!

長時間の自動車移動を楽しくしてくれたのは、トラックたち。車体にとてもカラフルな絵が描かれていて、それぞれ違うのです。最初のうちは喜んで1台ごとに写真を撮っていたのですが、多すぎてそのうち目で追うだけに。すれ違う車は、トラックがほとんどでした。

車体の絵にはどんな意味があるのかしら

すれ違うトラックを見るのが楽しい

台車を運ぶ若者たち

わらを運ぶ自転車

船着き場に到着すると、現地の観光客の人たちに頼まれて、一緒に写真をとりました。同行のアメリカ人には声がかからなかったのですが、外国人の少ない場所だったから外見の似ている日本人の方が話しかけやすかったのかも。

船で数時間移動して、昼食。スパイスがほのかに効いて、味の濃すぎないインド料理といった感じで美味しかったです。そのあと、すぐ着くかなーと思いましたが、日没を楽しみ、星が空に広がり、夕食の時間が来てもまだ着かず、船内のベッドで休憩。うとうとしていた月が真上に輝く夜中に、急に船が止まりました。川に沈む木にひっかかってしまったのです。なんとか脱出して移動再開。深夜に「到着」との肉声アナウンスが。



大きな川に赤い日が沈む。まるでバングラデシュの国旗のよう

到着したのは、陸ではなく、さらに大きな船の停泊地でした。大きな船は、より多くの人の旅の本拠地になっていて、ベッドルームやシャワーもあり、食事室もあります。すでに小型船のベッドに落ち着いていたので、そのままそこで寝ることにしました。

観光の拠点となる大型の船

翌朝、かなり早朝の靄のなか、エンジンのない舟に乗り換えて、生き物観察に出発です。

2014/01/13

バングラデシュの自然を訪ねて−その1

次の行き先を探している旅が好きで体力のある人に、バングラデシュをおすすめします。ダッカの喧騒も、趣きある農村も旅の醍醐味を見せてくれますが、ほとんどが低地デルタの独特な地形自体が、一見の価値あり。そして、なんといってもベンガルトラの棲むジャングルが、自然に関心を持つ人たちを強烈な印象で迎えてくれるはずです。



バングラデシュの南部に位置し、世界遺産に登録されているシュンドルボン(Sunderban) (サンダーバン、シュンドルバン)は、ガンジス川河口デルタ地帯、バングラデシュとインドに総面積100万ヘクタールに広がる世界最大のマングローブ湿地です。

ここには、ベンガルトラをはじめ、カワウソ(カワウソを使った漁もあるそうです)、サル、シカ、カワセミやワシなど多くの鳥、ムツゴロウ、ワニなど、さまざまな野生の生き物が棲んでいます。

わたしの滞在は、ダッカからの往復を含め3日(地上1泊・船中1泊)と極端に短く、生き物の写真をほとんど撮れなかったのですが、以下のFacebookで、シュンドルバンの生き物の素晴らしい写真をみつけたので、ぜひご参考に。
https://www.facebook.com/sunderban.bd


船上で地図を見ながらシュンドルバンの説明

ちなみに、シュンドルバン観光には、最低4日の滞在がおススメとのことです。広大なので、いろいろな場所をみるなら、もっと日数が必要。そして、行くのは乾季に。雨季には洪水のため辿り着くのが困難なのです。

地元の人々にとって、トラは最強の特別な生き物。年に50人もの人々が襲われて命を落としています。「トラ」と言葉に出すとやってくるのではないかと恐れ、「伯父さん」という現地語(ママ、と発音)で呼び、心から畏怖しています。

シュンドルバンでは漁業に従事する人も多い
地元の子どもの視線はポラロイドカメラに釘付け

魚とりの道具がクール!

この国は、1947年に、英領インドがインドを挟んで東西のパキスタンとして独立しましたが、地理的に大きく離れ、言語も違う国が同じ国というのは無理があり、1971年12月にバングラデシュとして独立しました。クーデターが続き、政治的には今も安定していません。ホッタルという政治的なデモがけっこうあるので、注意が必要です。身の安全への注意ももちろんですが、移動できなくなるので、スケジュールにも大きく影響するからです。

ところで、バングラデシュはNGO大国です。政府予算規模の1割近い規模の巨大NGOもあり、貧困者支援のためのマイクロクレジットで知られるグラミンバンクの本拠地。国際NGOも多く入っています。もしかしたら、海外からは、NGOワーカーの方が多くこの国を訪れているかもしれません。



2014/01/05

マダガスカル大統領選の結果が発表されました

先日のマダガスカル大統領選挙の結果が1月3日に発表されたようです。


現職派が大統領選勝利 マダガスカル、不正主張も - 47NEWS http://www.47news.jp/news/2014/01/post_20140103231314.html

「暫定政府の財政・予算相を務めたラジャオナリマンピアニナ氏(55)が勝利したと発表した。同氏はラジョエリナ暫定大統領の支持を受けた。」