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2015/08/30

美味しいスリナム

南米のスリナムには、いろいろな人種の人々が住み、いくつもの文化がミックスされた国ならではの多様な食文化を楽しむことができます。

中華料理は首都のパラマリボで。


首都パラマリボには、中華レストランが充実。豆腐や醤油味、野菜や肉の炒め物など、なじみのある味の料理が多いので、ほっとできる場所かもしれません。メニューの漢字がちょっと嬉しいです。ツーリスト情報センターで聞いたところ、日本人旅行者はまだ多くないそうです。

中華料理店ではお客さんも中国人が多いので、南米にいることを忘れてしまいそう。

外国人向けの大きなホテルや観光地のレストランのお料理は、オランダ風で、彩りがきれいです。

豆と野菜のサラダ。カフェ・ランチ。
ホテルの朝食。オムレツとパンケーキ♡

オランダ人の多いパラマリボ。チーズやツナが出されます。
パンケーキに粉砂糖が合います。


美味しいエスプレッソ。
植民地時代は、ここからオランダにコーヒーが送られていました。

感じの良いレストラン。

フィールドでの食事


スリナムの人口の多くはパラマリボに集中しています。一方、国のほぼ9割が原生の森で、そこに先住民やマルーン(奴隷として連れてこられたアフリカ人が先祖)の住む村が点在しています。自然や生き物の調査をするときには、そのような小さな村を拠点にしたり、全く人の気配がない場所に滞在します。

村の人がキャッサバの粉で大きな薄いパンを焼いています。
マヨネーズのような匂いに引き寄せられます。スープにつけて食べるのが美味しい。
フィールド1日目は、町から持参したものを食べるので、わりあい豪華です。
真ん中は、ポムというスリナム独特の料理。チキンが入っていて美味しいです。

インドとインドネシア料理


オランダ統治時代には、他のオランダ植民地だったインドのゴアや、インドネシアのバタヴィアから、奴隷が連れてこられました。いまでも彼らの子孫がスリナムに住んでいます。そのため、パラマリボのレストランでは、インド料理とインドネシア料理のメニューがけっこうあります。

インドネシア料理のミゴレン。チキンは甘め。
これもスリナム風インドネシア料理。ナシなんとか。

植民地時代を考える


現在のスリナムでは、植民地時代の影響で多様な文化が楽しめますが、遠くの故郷から連れてこられ強制労働を強いられた奴隷制度のひどさを思うと辛くなります。パラマリボには、植民地時代のことや、もっと前の時代からのスリナムの文化について展示している博物館があります。

スリナムには、古代に現在の先住民族を含む人々とは全く違う種族の人々が住んでいて、文明を築き、その後どこかに消えてしまったようです。最近になって森の奥でその遺跡が発掘され、アドベンチャー・ツアーの目玉になっているようです。ピラミッドと同時期にできたとも考えられているんです。ミステリアス!

植民地時代の総統府の建物が、現在は博物館として保存されています。

奴隷は、コーヒーなどの栽培に従事させられていました。
当時のコーヒー用の道具。

博物館のカフェ。見学で疲れたらここで休憩。


2015/08/17

ワシントンD.C. ③ 野生の生き物は手入れされた芝生にやってくる

ワシントン周辺の家々は、たいてい木々に囲まれ、芝生があります。この芝生、きれいなのですが、メンテナンスが大変。特に夏の前後は草の勢いがあるので、しばらく刈らないと大変なことになります。ほとんどの家はきれいにしているので、自分の家だけ草が生い放題というわけにはいきません。旅行で二週間家を空ける、となると、旅の直前・直後は芝刈りに追われます。

面白いことに、野生の生き物は、手を入れていない庭よりも、芝刈り直後の庭に現れます。あまり気の進まない芝刈りも、動物たちに会えると思うと、頑張ろうという気にさせられます。

芝刈りのときに見つけたハコガメ。

初夏には、芝刈り直後に、カメたちが池からあがって産卵していました。春の朝は、カナダ雁たちの親子。刈った直後に生えてくる柔らかい葉っぱを狙ってきたようです。カナダ雁たちは、同じように柔らかい新芽を目当てにやってきて、庭に巨大なフンを落として帰っていきます。

最近の芝刈りの翌日は、ロビンが飛び交っていました。草丈が短くなると地上の虫を捕まえやすくなるようです。

芝刈り後にやってきたシカの一家。
シカたちも歩きやすくなったのか、芝を刈るとよくやってきます。


野生の生き物たちは、人間の暮らしぶりを把握して、うまく利用しているみたいです。

2015/08/14

ワシントンD.C.② 自然に囲まれたアメリカの首都ワシントンD.C.。

ワシントンD.C.俯瞰


アメリカの首都ワシントンD.C.の空の玄関、ダレス国際空港に飛行機で訪れるときは、いつも上空からの景色が楽しみ。太平洋側からアプローチするときは、ブルーリッジ山脈を超えると機体が降下を始めて地上が見やすくなってきます。ワシントンの周辺は緑に彩られています。特に春先はきれいですが、秋も森や牧草地が紅葉してきれいです。冬は一帯が白く雪で覆われていることが多く、クリスマスのシーズンに上空から見える樅の木の飾りを見るのが楽しいです。



ポトマック川沿いの桜は、
ワシントンD.C.の名物。
ヨーロッパやNYからのフライトで大西洋側からアプローチするときは、チェサピークベイ周辺の緑とポトマック川周辺の自然公園がきれいです。ポトマック川沿いは、春になると日本から贈られた桜がきれいに咲き誇り、ジャパン・フェスティバルが開かれます。市民の飲料水としても、憩いの場ウォーターフロントとしても重要な川です。

街中から、カヌーやヨット、釣りなどで楽しむ人たちを観ることができ、朝夕には川沿いでジョギングする人もたくさん。流行に敏感な人たちが買い物やショッピングに訪れ、若者や観光客にも人気のジョージタウンや、18〜19世紀の建物がステキなアレキサンドリアがポトマック川沿いに位置しています。

ワシントンD.C.には、政治や経済などの拠点や、ブティックやレストランなど観光拠点はまとまった地域に集中しているので、徒歩とメトロの組み合わせで、かなり行動できます。D.C.に二つある空港のうち、レーガン空港へは市街地からメトロで行けますが、ダレス空港へは、タクシーが主な手段になり、バジェットトラベラー(貧乏旅行者)にはちょっと痛い出費です。メトロをダレスまで延ばす計画は相当前からあったそうですが、最近、近くの街レストンまでようやく開通しました。

ワシントン・レーガン・ナショナル空港。市内からのアクセスが便利。
周囲は緑地帯で、ピクニックする人も多く、夏にはホタルが飛び交います。

野生の生き物と出会えるDC


市街地には街路樹が多く、風情のある建物の前には手入れの行き届いた花壇が設けられています。木々の間にはリスの姿が。わたしは初めて見たときは、その都度追いかけて写真を撮っていたのですが、リスはあちこちにいることがわかり、いつの間にか、いるのがふつうという存在になってます。茶色と灰色リスが主なのですが、ときどき、チップモンクという小さなリスに出会えることもあります。リスはよくクルマにひかれているのですが、わたしの友人によると、チップモンクは「Too cute to be killed by car」(ひき殺されるには可愛すぎる!)のだそうです。

きれいな青い色のブルーバード。春先によく現れます。

野鳥のさえずりもあちこちから聞こえます。オフィス街にも樹木が多いせいか、小鳥がたくさんいます。これらの小鳥を狙うワシが高い木の上にいます。スミソニアン博物館やナショナル・ジオグラフィックなどメジャーな観光拠点でも、野鳥やリスに会える確率はほぼ100パーセントです。






時間があれば、ぜひ郊外へ


中心部から少し外れると、公共交通はいきなり不便になり、アメリカが車社会であることを実感します。でも、中心地から少しドライブすれば、自然が豊かなワシントンの別の顔を見ることができます。少し足を伸ばして、中心地から10分近く車で走れば、かなり緑の濃いエリアに行くことができます。野生動物は身近な存在です。数頭のシカがクルマの前を横切るのは日常です。つい先日は、高速道路脇でウサギの親子を見かけました。

ただ、悲しいことに、高速道路で、カメ、リス、シカ、ラクーンなどが車に轢かれているのをよく見かけます。午後の暑い時間には、道路で死んだ動物を探すバウチャーが上空で旋回しています。

よく現れるのは、シカです。道路脇に数頭の群れでいることが多く、ときにはクルマの前を横切るので注意。目撃する頻度は少ないけど、罠にひっかかるのはいたずらラクーン。ラクーンはゴミをあさる他、空調や屋根裏に入り込んでくるのですが、家の中で死なれるとものすごいにおいでお掃除がとっても大変になるので、有り難くないビジターです。罠には残り物のジャムやピーナッツバターを使うのですが、簡単に捕まるんです。捕まえたラクーンは、指定の場所に放します。

物置小屋の下で3匹の子どもを育てたキツネ。

裏庭に現れたウッドチャック。ジャンプが上手。


キツネやウッドチャックが裏庭に現れ、野うさぎも見かけます。たまにアルビノの個体が見つかることがあります。白っぽい斑の割合が多いシカも年によってはたくさん見ることができます。三年前には、真っ白なリスが庭にやってきました。とても可愛かったです。

春に突然現れた白いリス。

白い部分がかなり多いシカも現れました。


鳥好きのパラダイス


郊外の家では、朝、鳥たちのさえずりで目が覚め、まるで物語のなかで暮らしているようです。冬から春にかけては、カナダ雁や鴨たちの群れが渡ってきて、大きな声を聞くことができます。カナダ雁はとても大きく、見応えのある鳥です。



イースタン・フィービー

春には、ブルーバードやジェイ、イースタンフィービー、赤いきれいなカーディナルなどがやってきます。わたしはまだ見たことがないのですが、ハチドリの生息地です。ブルーバードは青い羽がとてもかわいらしく、まさに幸せを呼ぶ鳥って感じです。
黄色い系では、キングバードやキングレットなど。今年は、ハウス・レンが、バーベキューコンロの中でヒナを育てていました。

どこにでもいるのがヨーロッパ・スターリン。去年は、家の壁でひなを孵し、朝夕うるさくてよく眠れませんでした。あまりに大きな物音を立てていたので、正体が分かるまでは、ラクーンかネズミが入り込んだのではないかと思っていました。

スターリンが棲むきっかけを作ったのが、キツツキたち。この地域には、少なくとも3種類がいます。


秋にワックスリングの群れが通り過ぎるとき、木に一群が留まってさえずるいっときは、素晴らしいものです。彼らはそのまま通り過ぎることが多いため、出会いはとても貴重。秋から冬にかけては、アオサギやアマサギなどの水鳥がよく見られます。

大きな池にはカメたちが日向ぼっこ。

自然に触れ合う暮らし方


ワシントンの人たちは、バーベキューが大好き。ベランダや庭にバーベキューセットを置いていて、休日には大抵お父さんがリードして家族や友人でバーベキューパーティーを楽しんでいるようです。

春先には、スプリング・パイパーという小さなカエルが一斉に小さな鈴の音のような声を聞かせてくれます。その後には、別のカエルが鳴き始め、季節はだんだん夏に近づきます。

春に一面の花が咲く大好きな公園。

日本の高山植物に似た花が多く咲きます。


夏には、ホタルがたくさん見られます。初夏、ふっと今日から本格的な夏だ、と思わせる雨が降るのですが、そういう日の夕方、雨がやんだ後、ホタルが光り始めるのです。独立記念日の花火の日に、ホタルがたくさん飛び交うのを見るのはとても趣き深いものでした。ただ、アメリカの友人たちには、ありふれた生き物らしく、わたしが「ホタルだ!」と興奮する様子を不思議そうにみています。

暑い日には、ヘビと出会いやすくなります。毒ヘビもいるので、野山を歩くときは要注意です。