日本に固有のサルは、ニホンザルとヤクザルです。北限のサルとして下北半島のサル、温泉ザルなどが世界的に有名なようです。
世界に300頭以下しかいないというデラクール・ラングール。ベトナムの奇岩地域で。 大人はシロクロのパンダ色で、子どもは金色。 |
世界の霊長類の半数以上が危機的な状況に
日本のサルの数は安定していますが、世界のサルたちの多くは、危機的な状況に直面しています。今年の11月に、IUCN(国際自然保護連合)種の保全委員会などが、700種ほどの霊長類のうち、半数以上が絶滅の危機に直面していると発表しました。原因は、生息地の自然の破壊、食肉としての狩猟、違法なペット取引などです。とくに、小型のサルたちはペットとして人気が高く、フィリピン・メガネザルやジャワ・スローロリスは最も危機的な状況にある霊長類にリストアップされました。
ベトナムでTVを見ていたら、スローロリスなどの違法な野生生物取引を やめるように呼びかけるTVコマーシャルが。。 |
可愛いことは危険なこと
これら霊長類は、現在ではワシントン条約で国際取引が禁じられているのにも関わらず、日本でもペットとして人気があります。かれらは、もともとの食べ物ではない人間の食事を与えられたり、夜行性なのに昼間にかまわれたりしてストレスにより衰弱してしまっています。飼い主は、かわいい(と人間には思える)姿をビデオや写真にとりSNSで公開しているようですが、世界の専門家たちから多大な非難が日本人全体に向けられています。ひどい行動を即刻やめてほしいと思います。
アジアでは、富裕層が増えるとともに珍しい動物を飼いたいという人が増えているようです。また、以前から、”珍味”としてサルを食べる人々もいるからか、世界でも特に危機種のトップ25に入る種が10種と多くなっています。
シンガポールでモンキーウォッチング。 |
モンキー・ウォッチング
サルたちを守るために有効な手段として登場したのが、「モンキー・ウォッチング」です。珍しいサルを見て、彼らの住む生息地を見て、その周囲の人々や自然のことを知るというエコツアーは、新しい自然保護のツールとして期待されています。モンキー・ウォッチングの推進者アンディ・アンさんのウェブサイト
http://www.primatewatching.com