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2013/06/27

「生物と無生物のあいだ」を読みました

もう何年も前に話題になった福岡伸一先生の「生物と無生物のあいだ」をようやく読みました。
舞台はニューヨークからボストン、アメリカでの研究を取り巻く空気の色とにおい。時間軸は、留学時代から現在そしてエピロークでの子供の頃の記憶と。4次元的な広がりのなかで、分子生物学からその背景にある科学者の人間的なドラマまで。まるでミステリーを読むかのように先を待ちきれずに読み終えました。

生命とはなにかーいわゆる科学定義の「自己複製するシステム」、という表現にはおさまらないもの。それは、やはり「生命」としかいいようのないものなんだろうなあ。そして、生命には、時間の途切れがない。

印象に残った言葉の一つ、「秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない」形あるものは、次の瞬間にはそこから何かが失われている。絶えずそこに新しい補充があることで形(秩序)が保たれる。法律とかものの考え方とかも同じように日々古くなって行っていて、見直すことで社会との同じ距離を保っているのかもしれない。それが「動的平衡」。

細胞やDNAの研究の記録・描写もとても面白いです。

また、近いうちに読み返してみたいと思います。