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2015/06/17

ワシントンD.C.① 自然保護家たちの拠点

ここ数年、わたしはワシントンD.C.に滞在することが多くなっています。DCは、District of Columbia「コロンビア特別区」の略。D.C.やワシントンとも呼ばれます。

アメリカの首都D.C.には、ホワイトハウスや連邦議会を始め、世界銀行やIMFなどの本部を含む多くの機関が集まり、まさに世界の中心のひとつといえるでしょう。映画や本でも「ワシントンに報告した」とか「ワシントンはこう言っている」とか、大統領や政府高官、決定権を持つ人たちを表す言葉として頻繁に登場するので、多くの人にとって聞き慣れた地名だと思います。

デュポンサークルから北西へ向かうと、ずらっと大使館が並ぶ通り。
アメリカの首都の貫禄。

ワシントンD.C.は自然保護にとっても重要な場所


D.C.は、政治だけでなく、自然保護の本拠地でもあります。世界の動きに影響を持つアメリカ議会と政府があり、主に途上国での自然保護活動に多大な影響を及ぼす資金を管理する世界銀行、自然保護資金を拠出するGEF(地球環境ファシリティ)やCEPF(クリティカルエコシステムパートナーシップ基金)が本部を持っています。また、現場の保全に携わるWWF-US(世界自然保護基金アメリカ)、CI(コンサベーション・インターナショナル)の本部があり、さらにIUCN(国際自然保護連合)やTNC(ネーチャー・コンサーバンシー)、その他にも多くの自然保護NGOの拠点が拡大D.C.の範囲に集合しています。さらにスミソニアンを始めとするアカデミックな面でも、先進的です。

ステキなWWFのオフィス。わたしの友人も以前ここで勤務していたそうです。


ここに拠点を持つ利点は、情報、機会、人的ネットワークなど数多く、大きな事業や新しい多面的な事業も生まれやすい環境になっています。アメリカでは、転職はキャリアアップとしてとらえられることが多く、獲得した知識や能力、経験、人間関係を活かして、よりやりがいのある仕事を続けていくものです。D.C.の地域内で、自然保護や社会支援の仕事をいくつか転職する人たちも少なくありません。

「国際的」が当たり前の多様な社会


D.C.の仕事は世界につながっているものが多いためか、「国内(米)」「国際」を意識して仕事を選ぶ感覚はないようです。それは、職場や日常など、日々の生活そのもので多様な人々と常に接しているからだと思います。

ワシントンD.C.中心部。


アメリカは他の多くの国からやってきた人々の子孫や本人が移住してきた人たちが集まっている国です。人種も実に多様です。大まかには、ブラック・アメリカン、ネイティブアメリカン、ユダヤ系、ラテン系、アイルランド系、ロシア系、東欧、イギリス、西ヨーロッパ大陸系、北欧系、中東、インド系、アフリカからの人々、ブラジル、中国系、韓国系など。難民も多く受け入れています。タクシーの運転手、スタバの店員、レストラン、スーパー、クリーニング屋さんの店員、などネイティブの英語スピーカーでない人たちと会話することも大変多いのです。

日本では、日本人が大多数の場所がほとんどで、無意識のうちに日本人の”常識”を備えていることを当然と思っている人が多く、「違う」ことはなかなか大変なことです。ところがアメリカでは、違っていることが前提で、話しが始まります。

「英語」という物差し


出身国が違えば基準もさまざま。そのためか、アメリカでは、多くの人の話す技術や能力が鍛えられているように感じます。そして、多様な人々をつなぐのに、重要な役割を果たしているのが、英語。「アメリカ人と同じ英語を話すね」ということは、なにかを一緒に始めるときに、距離感を縮めるスピードがぐんとアップするようなのです。それと、共通の文化的な話題。スポーツでも芸能でも、なにか共通の話題があると一気に親近感が生まれるみたい。

もちろん一歩進んだときに大事なのは、会話の中身です。英語に強いアクセントがあっても、実力と人柄と目的が、次の段階での距離を縮めます。ただ、英語の垣根をまず超えると、一気に話しがしやすくなるようです。


ワシントン記念塔。

次回は、意外にも自然に溢れるD.C.の魅力をご紹介します!