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2013/09/02

「変態」ー生き残りのために、自分のペースで生きる

一生のうちに形を変えて生きる動物がいます。これは「変態」といわれ、毛虫がサナギを経て蝶になることや、オタマジャクシがカエルになることなどはよく知られている例です。

長年地面の下で暮らしてきたセミ。
まもなく成虫になって現れます
変態後の動物は、見た目が変わるだけでなく生き方をかえます。蝶の多くは、幼虫のときには、葉を食べ、植物の上を歩いていましたが、変態後は、羽を広げ、飛びます。そして、交尾によって子孫を残します。セミも地面からでると飛び立ち、鳴き、子孫を残します。

先日見たTV番組で、オタマジャクシの専門家が興味深いことを話していました。オタマジャクシがカエルになる時期は、一緒に生まれた個体たちの間でも異なるそうです。

それは、生き残りのため。オタマジャクシの時期はエラ呼吸ですが、すみかの水場の水が干上がるなどの危険を察知するとオタマジャクシになる時期を早めたり、仲間が食べられたり死んだりすると、やはり早くカエルになるそうです。一方、たくさんえさを食べることができた個体は、カエルになる時期が遅く、栄養のおかげで、大きく丈夫な個体になるそうです。なかにはオタマジャクシのまま冬を越す個体もいるそうです。


オタマジャクシたちの運命は、
それぞれ違うみたい

大きなカエルになれば、良い子孫を残す確率は高くなりますが、その前に死んでしまう恐れがある場合には、小さくてもカエルになっておけば子孫を残せます。多様な生き方をすることで、DNAを残せる確率が高まります。

人間でも、人によって華やかな時期は異なります。早く結婚して子供を産む人もいるし、社会経験を積んで力をつけてからパートナー探しをする人もいます。その人によって人生の道のりが違うのは、もしかしたら生き物としてわたしたちのDNAに組み込まれていることかもしれません。人の生き方や言葉に左右されずに、自分らしく、自分のペースで生きるのが自然なことなのだと思います。