ヴォルツバーグ(The Voltzberg)。奥に見える山の頂上に登ります。 |
奇観の岩山ヴォルツバーグ(The Voltzberg)に登る
中央スリナム自然保護区で、とりわけ有名なのは、ヴォルツバーグ(The Voltzberg)。原生林の真ん中にどさっとおかれたような、登る際に手でつかむものもほとんどない奇観の岩山です。スリナム・ヴォルツバーグ周辺の森 |
早朝にロッジを出発し、ボートで近くまで移動し、そのあと原生森を数時間歩きます。道中、いろいろな植物や動物に出会うことができました。ときどきホエザルやリスザルなどが木々の間を移動している様子が見えました。全員で立ち止まって、同行の生物学者の説明を聞きます。
鳥の鳴き声もあちこちから聞こえてきます。大きなコバルトブルーのモルフォ蝶がひらひらと飛んでいる様子は幻想的でした。モルフォ蝶は意外に動きが素早いのです。別の青い蝶シジミタテハはとまる時間が長くて、下のような写真を撮れたのですが、モルフォの写真は一枚も成功しませんでした。
倒木は新たな命を育む |
美しい青い蝶(シジミタテハと写真家の方が教えてくれました)。 |
花びらに彩られるトレイル。 赤、青、ピンク、黄色などの花の箇所も。 |
リサーチセンターに着くと、さっそくハンモックの準備。普段使われていないこの建物の普段の住人はコウモリです。床にはコウモリのフンが積もっています。最上階に行くと、大群のコウモリが。。ガイドさんといっしょにコウモリを外に追い出し、床のフンを掃除しました。その床に、どさどさと持ってきた着替えや食べ物のバッグが置かれます。
しばらく人のこなかったリサーチセンターには、ハトが。 急な人間の出現に迷惑そう。 |
一同、ハンモックを吊るし終わって、テラス(っぽいところ)で休憩。ふと、忘れ物に気づいて、ハンモックが吊った暗い空間に荷物をとりに行ったのですが、そこに、カサカサ・・!っと素早く床を移動する黒っぽい影が。まさか、アレ(多様な生き物が好きなわたしですが、アレだけはどうしても受け入れられないのです)がこんなところに・・?!おそるおそる、じっくり見ると、長いしっぽがあります。なんと、それはサソリでした。
あー、陽のあるうちに見つけてよかった!でも、毒のある虫だし、このままでは良くないぞ。急いで、外に出て行っていただきました。
最初は他の生き物と思ってしまったサソリ。 |
さて、いよいよヴォルツバーグに向けて出発です。
上りの途中でハキリアリの隊列に遭遇。 |
太陽が照りつける中、手すりもない急な傾斜を登るのはかなり大変。重い荷物は岩山の下においてきています。まったくの手ぶらで登った前回は順調に登れたのですが、今回はカメラをバックパックに入れて持ってきたためか、重力をしっかりと感じながら進みました。岩山の所々にサボテンが生えています。土が少なく保水力が少ない場所でたくましく育っていました。
歩きながら下方を見るとちょっと恐い。 |
急な傾斜を歩いていると、ときどき空洞っぽい音がする箇所があり、いつかそこが崩れて穴があくのではないかと心配になります。また、幸い、いままで登ったのはすべてお天気の良い日でしたが、もし雨が降ると、つるつるする岩だから滑って落ちてしまいそう。でも、なんとか、息切れしながらも全員頂上に立つことができました!
頂上からの眺めは気持ちいい! |
頂上からは360度の全方位に原生森林を見渡すことができます。遥か彼方はブラジルのアマゾンにつながっています。頂上に少しだけ低木があり、木陰を作ってくれていて、このほんのわずかなスペースに、全員で寝転び休憩しました。立ち上がると木陰からはみ出してしまうのです。
木陰や岩の下から続々と現れてくるトカゲたち |
観光客のこぼす食べ物を狙う。 |
おやつを食べ始めたわたしたちに、トカゲたちが近寄ってきました。どんどんその数は増えていきます。最初は距離を保ち警戒していますが、だんだん近くによってきます。動きを見ていると、あまりにユーモラスなので、退屈しません。
岩山を下る若者たちのグループ |
ヴォルツバーグに登る観光客のほとんどは、アドベンチャーを求めてやってくるオランダからの若者です。現地の旅行会社がほとんどオランダ語で営業していることや、アムステルダムからの直行便があることなどが貢献しているようです。ただ、今年に入って、頂上に落書きが増えました。たった数人の人や数組のカップルの名前が、大自然の世界遺産の貴重な素晴らしい景観の岩に書かれているところを見ると、がっかりしてしまいます。(注・上の写真の若者とは関係ありません。)
浅い小川で水浴び。魚も泳いでます・・ |
ヴォルツバーグを下り、宿泊拠点のリサーチセンターに戻ります。川で水浴びを終え、コーヒーとスナックで一息ついていると、空が急に暗くなり、熱帯のスコールが始まりました。気持ちいい天然のシャワー。
リサーチセンター周辺には花がたくさん咲いていました。 |
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