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2014/09/25

国連気候変動サミットでディカプリオ氏演説。「個人レベルを超えた大きな行動を!」

ニュースで「気候変動」という言葉を聞いたり見たりしない日はないくらい、日常の中で気候変動を意識することが増えてきました。

異常な大雨、干ばつが世界の各地で多発しています。外国へ旅行するときにも、旅行ガイドに書かれていた雨季と乾季は、もう当てになりません。カリフォルニアでは、ここ3年以上も強い乾燥が続き、山火事が頻発しています。今年は、最悪の山火事の年と言われた昨年を上回り、年間にわたり山火事が起き、その規模も大きくなっています。

カリフォルニアの水瓶の一つイザベル湖。
渇水のため、満水時の1割程度しか水がない。

気候変動は植生に影響を及ぼし、それらを食べる生き物たちの行動も変えます。自然から直接材料を手に入れ、野生生物を食料としてきた人々も生活パターンを変えなくてはなりません。生活のための水を手に入れられる場所も時期も、その量も変わってきているはずです。

今週、ニューヨークで国連気候変動サミットが開催されました。これに先立ち、さまざまな呼びかけが行われ、日曜日には40万人を超える人々がニューヨークで気候変動への行動を呼びかけ行進しました。オバマ大統領の呼びかけは力強いものでしたが、同じタイミングでISに関する声明も繰り返し放送されたので、そちらの印象が強くなってしまった感じも。

このたび国連の平和メッセンジャーに選ばれたレオナルド・ディカプリオ氏の演説は、とても素晴らしいものでした。

レオナルド・ディカプリオ氏 国連気候サミット演説
国連のビデオ画像より

特に心に響いたのは、「もう個人レベルでハイブリッドカーを買うとかいうことではない。国家レベルで大規模な行動を起こすべきだ」というメッセージです。自分自身の環境への配慮を体現してきた彼の言葉だから、なおのこと強く伝わりました。

気候変動がエコシステムを壊してしまえば、私たち自身の生存も危ない。それは明白で、アメリカの軍ですら知っているのです。「気候変動は最大の脅威だ」と。

そして、市民は、国家や企業を動かすことができます。今、行動しなければ。
"You Can Make History"!



ディカプリオ氏の演説のビデオはこちら。

日本語訳はここから読めます。



2014/09/11

ロンドン大英博物館で出会った和風のサルたち

旅先で、動物園や博物館に行くのが楽しみの一つです。

雨上がりの大英博物館入り口

お気に入りの博物館の一つが、ロンドンの大英博物館です。常設展なら入場料が寄付だけ(金額は自分で決められます。寄付しない人もいるみたいです)でOKというお手軽さもあって、数時間でも空いた時間が作れれば、バスでRussell Streetに向かいます。

メトロ網も充実しているロンドンですが、歴史のあるバスもロンドン市内の移動にすこぶる便利です。赤い二階建てのバスは乗るのも楽しく、料金も安いし安全。狭い道を鮮やかに運転するドライバーのテクニックは感動ものです。

お猿の根付け。お釈迦様の手から逃げられない孫悟空

さて、大英博物館のなかに、三菱が寄付している日本などの美術を中心に展示するコーナーがあるのですが、その入り口に根付けがずらっと並んでいました。実用品でもある根付けは、限られた大きさと重さのなかで、面白みと美しさを表現する芸術でもあります。

そして、サルのすむ国、中国や日本など東アジアのものだけあって、サルをモチーフにした根付けもけっこうあるのです。孫悟空などの話や、十二支の一つでもあり、アジアの人々にとって、サルはずっと身近な存在だったのだと思います。

かなりリアルなサル
根付けのひとつひとつは手のうちに収まる小ささ。

この日、急遽捻出した時間での観覧。二時間で急いで展示を見て、空港に向かいました。でも短い時間でも、歴史を感じるものや素晴らしい芸術に触れて、心の栄養をたくさん吸収できました。






2014/09/08

秋のニューヨーク・メトロポリタン美術館でサルに遭遇。


ニューヨークのメトロポリタン美術館
ニューヨークには見所がたくさんありますが、なかでもおすすめはメトロポリタン美術館です。広大なセントラルパークを背景に、高級ブティックが建ち並ぶ通りにごく近い、とても便利なロケーションです。

メトロポリタン美術館のウェブサイト

広い館内はとにかく見応えがあります。常設の展示のほかに、いくつもの特別展が行われていて、一日ですべて見るのは難しいので、時間が限られている場合は、事前にネットで調べて、お目当ての展示を決めて行くとよいと思います。

この日は半日しかなく、アフリカ・オセアニアなどのトライバルアート・コレクションを中心に見学。素晴らしい展示でした。


その後、ヨーロッパの近代美術を見ていたのですが、サルが登場している絵画を見つけました。1683年のMelchoior d'Hondecoeter。絵のタイトルは「Peacock(孔雀)」です。画面に大きく描かれた孔雀の下に、サルとメロンが。当時のヨーロッパにはサルは生息していなかったので、ペットとして外国から連れてこられたのだと思われます。

ヨーロッパにペットとして連れてこられたサルが描かれていました。

また、Rafael(1483-1520)がデザインして、後にイタリアで1635年にタペストリーとして制作された「サルの赤ん坊争奪を止めようとする子どもたち」の図。バチカンの注文のようです。

サルが赤ん坊をさらおうとしているのを止めようとする二人の子どもたちのタペストリー。

大航海時代の後、近代は、ヨーロッパの人たちが植民地からのいろいろな動植物を知った時期です。芸術を見ながら、当時の人々が珍しい生き物に対して持っていたイメージや、過去のエキゾチックな生き物のペット取引などを推測するのも、美術館の面白い楽しみ方かも知れません。(もちろん現代のペット取引は、ワシントン条約などの国際条約や生き物の生息国の法律などのルールに則って行われなければならないのですが)


青空のNY。