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2014/12/08

シドニー 世界自然公園会議(WPC) ② 開会式

開会式が始まる。自然保護のリーダたちが集結。

WPCの会場は、2000年のシドニー・オリンピックの競技会場。十分なスペースがあり、各イベント会場への移動がしやすく配置されていました。いよいよ12日。開会式にぞくぞくと参加者が集まってきました。なかなか入場できなかったので、入り口の前に大きな人だかりができました。今回の参加人数は、6000人近くになる見込みとのことです。

先住民族アボリジニの楽器、ディジリドウの演奏。
息を継がず、循環させて音を出す難しい楽器です。

オーストラリアの先住民族のダンスパフォーマンスで開会式が始まりました。見事なアボリジニの民族音楽ディジリドウの演奏。先住民族は、自然保護の重要なステークホルダーです。

開会式をリードするのは、IUCN事務局長のジュリア(Julia Marton-Lefevre)さんとエルネスト(Ernest Enkerlin Hoeflich)さん。笑顔とユーモアで数カ国後を話しながらのフレンドリーな見事な司会。他の方が話す間もこの開会式中ずっと長時間立ったままでした。

IUCN事務局長のジュリアさんたちの司会。
参加者すべてに参加していると思わせてくれる素晴らしい司会。



IUCN会長ジャン氏は2012年にアジアからの初めて会長に着任。

IUCN会長のジャン氏(Zhang Xinsheng)は、前回のダーバンWPCから、海洋保護区の増加を含め、保護区の面積が2倍に増えたこと、保護区はカーボンを蓄え、洪水や干ばつに対して回復力を増やすなど、気候変動に取り組むために重要な役割を果たすことについて語りました。そして、すべての人に「保護区と、人々と、この地球のために」協力することを呼びかけました。

開催国オーストラリアの環境大臣のご挨拶、国連事務総長バン・キムン氏のビデオメッセージなど、多くの方からのご挨拶が続きました。グレートバリアリーフの中からのメッセージも生中継で届きました。


マンデラ氏へのオマージュと先住民族への敬意

ステージのスクリーンはまるで巨大コンピューターの画面。会議ロゴが映っていたかと思うと、話し手の顔のアップ。次には自然の風景。効果的に使われていました。いまは、看板を作ったり巨大TVモニターを設置したりしなくていいから便利です。

ネルソン・マンデラ氏のメッセージ。教育は自然を守るためにもとても重要。


このスクリーンに次にアップになったのは、11年前のダーバンで強烈なカリスマ性で人々を魅了したマンデラ氏。将来のために自然を守るために教育が重要であることを強調した2003年のスピーチのビデオが流れました。参加者たちはマンデラさんの偉業に敬意を表し大きな拍手。ひ孫のルブヨ・マンデラさんが壇上に登場し、若者の活動の重要性をアピールしました。

また、キリバス、パラオ、クックアイランドからはそれぞれ大統領が参加。気候変動の影響を大きく受けている国の指導者たちは、自然保護の取り組みで世界をリードして行く思いをスピーチしました。まさに前日アメリカと中国が気候変動問題で合意したことを歓迎し、島の人々の伝統的な生きる知恵、自然資源を回復できる範囲でだけ利用する“The Bull”という方法があり、国際社会にもそのやりかたで、自然資源を守るようよびかけるために2004年に立ち上げたミクロネシア・チャレンジを紹介。そして、「自分たちだけではできない」と国際社会の協力を呼びかけました。

南太平洋からシドニーまで航海してきたカヌーが、前日に港に到着!
メンバーが島のダンスを踊ります。

実は、この会議に向けて、南太平洋の島から航海してきた一群が、前日にシドニーハーバーに到着していました。世界最年少で世界一周の航海を成し遂げたジェシカ・ワトソンさんがエルネスト氏と一緒にこれを紹介し、会議の開催を宣言。航海してきたメンバーが登壇。お祝いのダンスが披露され、会場はスタンディングで喝采を送りました。

次は、このWPC(世界自然公園会議)とはそもそもどんなものなのか、について紹介します。