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2015/02/22

第87回アカデミー賞発表間近!自然保護ドキュメンタリー映画Virungaがオスカー2015にノミネート

今年も世界の映画好きが心ときめかす季節がやってきました。第87回アカデミー賞の発表は、2月22日です。

わたしの大好きなThe Grand Budapest Hotelも作品賞などにノミネートされていて、どうなるかワクワクしながら発表を待っています。

アカデミー賞ドキュメンタリー部門にノミネートされたVirunga
Image from virungamovie.com

ドキュメンタリー部門には、「Virunga」がノミネートされています。



コンゴ東部の世界遺産、ヴィルンガ(Virunga)国立公園は、希少なマウンテンゴリラの生息地です。すべてのマウンテンゴリラの三分の一がここにすみ、また、東ローランドゴリラ(eastern lowland Grauer’s gorillas)やチンパンジーもいます。つまり、ヴィルンガは、三種の大型類人猿がくらす世界で唯一の場所ということ。美しい自然と優美でたくましい生き物。実はこの地球の遺産を守るのは、命がけです。

この映画では、自然保護の重要性と過酷な現実が強烈に描かれています。銃や国連治安維持部隊、戦士。きめ細かく作り込まれた映画のシーンのように見える光景は、現実なのです。

社会問題に目を向け続けてきた若い監督Orlando von Einsiedel と、 映像の力で社会や人権などの問題について社会に問いかけてきた女性プロデューサーJoanna Natasegaraの作品。レオナルド・ディカプリオがエグゼクティブ・プロデューサーとして参加しています。



シドニーWPCの議論にリモートで参加する
ヴィルンガ公園長エマニエル氏。
内戦、密猟者、自然公園の地下に眠る石油と鉱物資源。人の欲望と争いのため、ヴィルンガ国立公園のパークレンジャーは非常な危険にさらされています。この20年間で130人ものレンジャーが密猟者の襲撃によって亡くなっているのです。公園長のエマニエルさん(ベルギー王子)も、二度も狙撃され命の危険にさらされました。

The Telegramの記事:
Battle for Virunga: The fight to save Africa's oldest national park

エマニエル氏や英ウィリアム王子が参加した「United for Wild Life」の記者会見に関するブログ


「Conservation is War (自然保護は戦争だ)」というショッキングな言葉も、映画Virungaをみるとその通りであることが実感できるはず。これは、ヴィルンガ国立公園だけでなく、世界の多くの場所で当てはまる言葉なのです。




Virungaが今回のオスカーにノミネートされたことで、自然保護の現場の直面する深刻な問題、レンジャーたちの偉大な仕事、自然の貴重さと素晴らしさなどを多くの人が知る機会になるのではないかと思います。

WPCではレンジャーたちが表彰されました。