*リンク:日本の自然公園に関する法令
生態系の上位に位置し、研究と保護が進んでいる鳥は、重要な生態系の指標。 |
IBAsとは
それぞれの国の取り組みの他に、国際的な枠組みで指定やリストアップされている重点保護地域もあります。IUCN(国際自然保護連合)やそのメンバーであるNGOなどが手がけていて、多くのものは、各国の取り組みと連携しています。国際的な野鳥保護のネットワーク、バードライフ・インターナショナルは、「国際的に重要な生物多様性と野鳥生息地域(Important Bird and Biodiversity Areas、以下IBAs)」をリストアップしています。バードライフ・インターナショナル・アジアのウェブサイトによると、現在、世界で12,126ヵ所、日本では166ヵ所が登録されています。生物種のなかでも、鳥については、かなり早い時期に保全の取り組みの仕組みづくりとネットワークづくりが行われました。これは、世界中に鳥を愛するたくさんの人々のおかげだと思います。また、鳥は生態系の健全性を示す指標として優れていることから、IBAsは、国際的かつ科学的な指標として信頼され、さらに多くの種を対象とした保全に関する「重要生物多様性保全地域(Key Biodiversity Areas, KBAs)」のベースになっています。
泡瀬干潟の保全が急務!
緊急な保全が必要な世界のIBAsの地図。「日本はないのかな」と思ってみていたら、泡瀬干潟が。 出典:http://www.birdlife.org/datazone/userfiles/file/IBAs/pubs/IBAsInDanger2014.pdf |
バードライフ・インターナショナルは、2014年の危機的な状況にあるIBAsのリストを作りました。102カ国から356カ所が、緊急に保全の必要な場所として選ばれたのです。このパンフレットがWPCで配られ、また、KBAsのセッションでもプレゼンテーションが行われました。
危機リストのなかに、日本からただ一カ所、沖縄の泡瀬干潟が入っていました。
240番が泡瀬干潟 |
泡瀬干潟は、南西諸島でも最大級の規模の干潟で、多くの希少生物が生息していますが、いま、干潟の埋立事業が、環境保全上の争点となっています。泡瀬干潟の保全を訴える「自然の権利」訴訟が行われており、2月24日に判決が出る見込みだそうです。
昨年、沖縄県では翁長新知事が選出されました。日本のなかでもとくに豊かでかつ繊細な生物多様性を有する沖縄での今後の自然保護がどう動くのか。目が離せません。