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2015/01/25

アラビア紀行① 中東からの自然環境保全は、決定力と資金力!

ここ数年、中東のプレゼンスの高まりを実感します。まずビジネスに関しては、中東パワーは重要な要素。エミレーツ航空やカタール航空などの日本への就航やその運行実績への高評価、日本企業による投資やドバイの高層タワーや高級住宅なども注目され、いままで日本からは遥か遠くに思われていた国々が、急速に身近になってきたようです。 

ドバイの水族館。アラビアの服装の少年たちも。


自然環境保護の多くの場面でも、中東からの資金支援やイニシアチブに触れる機会が断然増えています。わたしが中東に注目した最初のきっかけは、2008年のWCC(World Conservation Congress、世界自然保護会議)でした。バルセロナで開催されたこの会議で、アブダビの皇太子モハメド・ビン・ザイド王子が、アブダビ政府による種の保護のための150億ドルの資金支援を発表したのです。

絶滅危惧種の保護を支援するモハメド・ビン・ザイド財団

この資金の運営のために設立されたモハメド・ビン・ザイド財団は、年々支援の範囲を広げてきました。レッドリストに掲載されている絶滅危惧種の保全が対象です。途上国だけを対象としているほかの多くの基金と異なり、この基金は種を対象にしているので、本当に必要な種の保護のために応募することができます。

日本からも、レッドリストに掲載されているサケ科の魚、イトウの保護プロジェクトが支援を受けています。

国際的な自然保護で著名な理事をメンバーに有し、多くの国での事業をフレキシブルで公平に支援してきたモハメド・ビン・ザイド財団への応募と支援実績は年々増加しています。支援実績のデータベースをオンラインで見られることや、年に数回の応募がオンラインでできることも、応募者にとって便利な要素です。
*財団のウェブサイトはこちら