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2013/08/10

フィンランドの夏、ヒグマとウーブリン

ベリー類がたくさん実っています

ムーミンの国、フィンランドにいってきました。今回の旅の目的は、フィンランドのヒグマ(Brown bear)とウーブリン(Wolverine)に出会うこと。北欧の大自然への期待が高まります。

玄関口のヘルシンキ空港は、近代的でデザインもすてき。日本でもよく知られているマリメッコやムーミン、食器のアラビア、雑貨やファブリックを売るお店、おしゃれなカフェなどがセンスよく並んでいます。実は日本からは飛行時間も短いので、西欧への玄関としてもお勧めです。

ヘルシンキからカジャー二(Kajaani)へと国内線で飛び、車で一路、北極圏に近いクフモ(Kuhmo)を目指します。森と水の国ともいわれるだけあって、大小の湖がたくさん。道路沿いの木もきれいです。

フィンランドの楽しみサウナの後は、湖で泳ぎます

この旅を勧めてくれたのは、フィンランド人のL氏。クマやシロフクロウをはじめとする北欧の動物や美しい景色を撮る世界的に有名な写真家です。コテージにつくと、さっそくオーナー一家やL氏、オランダやロシアから来た宿泊者とご挨拶。この地域の自然について、写真スライドを見ながら説明を聞きました。

コテージの周りには、たくさんのベリーが生えていました。最近は、手先の器用なタイ人の方たちが摘み取り作業に従事しているそうです。展望台から辺りを見回すと、ロシアの国境も見えます。


コテージのクマの飾り額
初日はウーブリンを見に行きました。小さな小屋に一人ずつ入り込みます。ウーブリンは主に夜に現れるそうです。その小屋で夜、観察するのです。北極圏に近いこの地域では、暗い夜はかなり短い時間だけ。遅くまで薄明るい時間が続きます。一晩中小屋から出ないように指示を受け、トイレ用のバケツを持って小屋に入り、寝袋とカメラの準備をしました。残念ながら、朝まで起きて待っていたものの、この夜は、ウーブリンは現れてくれませんでした。すごすごと朝日を浴びながらコテージに戻り昼寝です。

2回目の観察日。同じようになかなか現れません。「またか・・・」とあきらめかけたとき、やや暗くなった外に、黒い影が。ウーブリンが現れたのです。大きな倒木の影におかれたサーモンを素早く拾って、飛び跳ねるように去って行きました。ほんの一瞬の出来事ですが、ウーブリンを見ることができました。

ウーブリンは、テンの仲間で、クマより小型の肉食獣。マーキングのための強いにおいを持っています。フィンランドに120頭程度生息しているといわれています。カナダやアメリカ、ロシアなど世界で15000から3万頭が生息し、まだ未知なことの多いミステリアスな生き物です。

獲物に向かって歩くヒグマ


ヒグマの観察は、別の場所へ。ここの隠れ小屋は、4−5人くらい入れるサイズ。中に簡易トイレもあります。夕暮れ前に隠れ、クマを待ちます。クマもなかなか現れてくれませんでした。白んでいる間は、カラスやワシなど鳥を見ていました。それにも飽きた夜の帳がおり始める間際、1頭が湿原の向こうに現れました。続いて別の数頭が。ダイナミックな動きで川を渡り、獲物(死んだウシ)を食べにやってきたのです。大きい。ヒグマはヨーロッパ最大の肉食動物。恐れられながらも、神聖な動物として大切にされてきました。


日の出の前。3頭のクマが目の前に・・
フィンランドの森はとても魅力的です。そこにすむ大きな野生生物の存在を体感して、自分の生き物としてのバランス感覚をちょっと磨けた気がします。


コテージでは、フィンランド・サウナも楽しめます。さっぱりとしたサウナは、男女の区別ないみたいでした。汗をかいた後は、湖に入って体を冷やすのですが、オランダ人の一家のお母さんは、「裸のほうが気持ちいいわよー」と見本を示して湖に入り、誘ってくれたのですが・・。わたしはバスタオルを巻いたまま素足を水に入れてヒンヤリ感を楽しみました。